日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 in 浜松 に初参戦してきたよ★
こんにちは。みずき薬局の旗手(あ)です。
はじめて過ごす会津の梅雨ですが、関東よりは比較的すずしく過ごしやすい毎日を送っております。
さて、今回は2024年6月7日~9日に静岡県浜松市で開催されたプライマリ・ケア連合学会の学術大会へ初参戦してきましたので、ご報告します。
「プライマリ・ケア」とは
そもそもプライマリ・ケアとはなんぞやって話。
そういえば、ハシモトさんが「プライマリ・ケア認定薬剤師」について過去のオープン社内報で触れていましたね。会社でも激推ししている学会です。
私は、プライマリ・ケア連合学会に入会してみたものの具体的にどんなものなのかイメージも沸かず、よく分からないままでした。
「調べてもわからないなら、学会に参加すればいいんじゃない」
と、私の心の中のマリー・ハシトワネットがそう言うので、百聞は一見にしかず。誘われるがまま現地へ出向きました。いざ、2泊3日浜松へ!
浜松に着いた瞬間、「暑い…会津に帰りたい…」となってしまった私は会津の気候にすっかり慣れてしまったのかもしれないですね。 ここは真面目な酒飲みとして、暑さに耐えてしっかり1日目からがっちりお勉強。
意外だったポイント
このプライマリ・ケア連合学会、良い意味で変わっている点がいくつかあります。
① 他職種の方の発表を聞いたり意見交換が出来る
医師、看護師はもちろん、理学療法士、産業保健師、製薬メーカーなど参加されている職種がなんせ幅広い。某セッションでは区役所の職員スタッフが参加されていてビックリ。
セッションやシンポジウムを通して他の職種の方と意見交換が出来たりするので現場での視野が広がるきっかけにもなりそう。
② 子連れで参加が可能
子連れで参加できるのはうれしい。
Wi-Fi設備も整っており休憩スペースもあるので、お子さんと休憩している時にオンライン聴講に切り替えるということも可能です。そういえば初日に赤ちゃんを抱っこしながらセッションに参加している男性がいましたね。あとから調べて知ったのですが、託児所やキッズツアーイベントもやっていたそうな。支援がすごい。
③ コンサートやワークショップなどの多彩なイベントが組まれている
ピアノや触れずに奏でる楽器「マトリョミン」を使ったコンサート、認知症の人とのコミュニケーションを考える演劇のワークショップがプログラムとして組まれていました。
また、展示イベントホールでは特別支援学校卒業生で結成されたアートクラブの絵が飾ってあったりと、音楽、アート要素をとても強く感じることができるブースが多数。お子さんと回ってみてもたのしそうだと思えるような内容ばかり。実は学会ではなくお祭りなのかと疑うくらいでした。
旗手的推しポイント
この3日間で幅広いジャンルのセッションやシンポジウムを聞きに行きましたが、その中でも私が最も印象的だな、面白いなと感じたものを推しポイントを添えて3つ紹介します。
【1】退院前カンファレンスは会議室で起きているんじゃない!学会で起きているんだ!?
各グループで専門職ごと(医師、薬剤師、病院看護師、歯科医師、ケアマネージャー、訪問看護師、介護士など)に、模擬の診療情報提供書を見て問題点をピックアップ。その後、患者・患者家族を含めた模擬退院前カンファレンスを行い専門職ごとで発表していくという内容です。
POINT★現実では体験しづらい退院カンファを学会で体感
薬局薬剤師が退院カンファに参加出来ることなんてそんなにないですよね?生のやり取りを模擬で体験したり覗けちゃうなんてラッキー(心の声)
患者、患者家族役が、役になりきってやってくれるのでリアリティがある
各専門職目線の意見が飛び交うのを生で聞くことができる
浮かび上がってくる患者の問題点をその場で解決するという体験ができる
【2】今、流行りの「社会的処方」の真髄に迫る?!最も密接な行政のお話!
兵庫県豊岡市の商店街にあるシェア型の私設図書館「だいかい文庫」を開設された医師、守本陽一さんが企画責任のシンポジウムへ参加。演題の社会的処方というワードに引っ張られ参加を決めました。
「だいかい文庫」は本を通じた居場所や役割を地域へ提供、また本棚を通じて会社でも家庭でもない自己表現の場を提供しており、地域のハブとしてのポジションを確立しています。
社会的処方とは?
ちなみに私は、数年前に丹後の尊敬する薬剤師さんに出会って「社会的処方」という言葉を知りました。
POINT★社会的処方と行政の関わり方を丸ごと解剖
社会的処方が今までエモく見えていたのは行政がどんなふうに関わっていたのかを知らなかったから…なのかもしれない(新たな気づき)
「リンクワーカー」から現場のお話、社会的処方の症例を聞くことができきた
社会的処方に関する専門用語について詳しく解説
兵庫県養父市における推進モデルを実際に紹介
地域によって社会的処方の形はそれぞれ変わってくるので、自分の住んでいる地域ではどんな支援が出来るのだろうかと考えるのもおもしろいなと思いました。
【3】どう向き合う? 今後のアルコール問題
常習酒飲みの私たち夫婦からしては切っても切れないお酒の話…に対峙してきました。2024年2月に飲酒ガイドラインが新しくなったそうなんです。
みなさん、知っていましたか?
背景にはアルコール依存症の問題や、アルコールが病気の発症に関与しているなど色々ありますが、このガイドラインが新しくなった本当の理由は決められた範囲内のアルコール量を守って飲めない人が多いから…と言っても過言ではないのです。
POINT★最新のアルコール問題について数字で追究していく
アルコールのリスクは把握しておかなければなりません。
飲酒ガイドラインの制作に関わった医師の話を直接聞くことができた
ノンアルコール飲料を治療に役立てられるのかという演者自身の最新研究結果を公開
アルコール依存症の治療について最前線情報を知ることが出来た
1日飲酒量はゼロが望ましいという話があって、飲酒に夢も希望もないじゃーん…だなんて項垂れましたけれどね(涙目)
講演を聞いて改めて大好きなお酒を悪者にしないように、まずは自分自身が気を付けていこうと思いました。会津に移住してから飲酒量は減ったのでこの調子!
プライマリ・ケアに触れた3日間を終えて
刺激的で濃厚で楽しかったのだけれど、私、なんで今までこの学会を知らなかったのでしょうか(自問自答&後悔)。
これまでは参加者がほぼ薬剤師の学会にのみ参加をしてきたので、他職種が参加しているのは新鮮でした。また、お堅い感じかと思ってましたけど、全然そんなことはなく、雰囲気はフランクで参加するハードルが低い学会でしたね。
30代中盤でプライマリ・ケア連合学会のたのしさに気づいてしまった私から直に申し上げます。
いまからでも遅くありません。情報量が多く刺激的な学会だからこそ、若手からベテランまで色んな年齢層に参加してほしい!!!
一見、カタカナでむずかしそうな学会に聞こえますが(参加する前の私の偏見)そんなことはありません。騙されたと思って1回参加してみてください。敷居は低いですが、レベルは高いです。そして楽しい(3回目)。
来年の学会会場は北海道なので(おいしいグルメを楽しみに…ではなかった)プライマリ・ケアに興味を持った皆さまと一緒に学べることを楽しみにしております。私も参戦予定です。
最後に費用面のお話
そういえば、この学会の経費ってそこそこ掛かったのでは?と疑問に思ったそこの貴方。
鋭いですね。(ニッコリ)
どうしても研修や学会で遠出となるとお金が掛かってくるのが現実です。
でも会喜には「まなびば」っていう学習支援や資格取得支援の福利厚生があるのですよ。おほほほほほ~!!!(浮かれすぎてキャラ崩壊)
まなびばは全社員対象、研修参加後の研修レポート提出必須で研修参加費用や研修参加の為の交通費を支給してくれる制度です。
研修で学んだことをレポートでアウトプット出来て、且つslackで社内共有も出来るので凄く良い制度だなと思いました。今後も研修や学会で活用しよっと。
最後に…おまけ★
シンポジウムやセッションの合間に山形県新庄コミュニティさんのブースでラジオ収録をしてきました。会津若松に移住した経緯、日本酒関連のことをお話させて頂きましたが、緊張してもう声ガタガタ。笑
静岡県浜松市と言えば浜松餃子。学会と言えば現地のグルメが食べれるのも醍醐味。しっかりいただいてきました。
ハシモトさん、前日の睡眠時間1時間…?!
長々と読んでいただき、ありがとうございました!