【薬剤師×日本酒】日本酒を知れば、その地域がもっと好きになる
お疲れ様です。
みずき薬局の旗手(あ)&いぶき薬局の旗手(ゆ)です。
「変態的なこだわりについて記事を書いてください」というお題をいただいたので、入社5ヵ月目の私たちがこよなく愛している「日本酒」についてお話したいと思います。
偏愛と化した会津酒への執着
埼玉県から福島県会津若松市へ移住して4ヵ月が経過。会津のお酒を以前より多く飲むようになりました。
そう。会津の日本酒は、歴史が長いのです。
「そんなに地元のお酒ばかり飲んで飽きないの?」と言われそうですが、まったく飽きません。笑
家の冷蔵庫は常に日本酒で埋まっていて、週1回酒屋に通い、週1回行きつけの居酒屋に通っています。
そもそも何故、私たち夫婦がこんなに日本酒にこだわって突き詰めていくようになったのか。日本酒によって生じた行動力で、会津へ移住し、どこへ向かおうとしているのかをお話します。
日本酒に突き動かされて
【発端】日本酒ペアリングへの目覚め
6年前の2018年春「カンパイ!日本酒に恋した女たち」という映画を観に行き日本酒ソムリエ「千葉麻里絵さん」という人物を知ることになりました。
彼女の仕事ぶりを映像で観て雷に打たれたような衝撃を受けました。
映画鑑賞後に「今すぐお店に行きたい」と直接お店に行きましたが「今日は満席です」…と願いは叶いませんでした。
次回は「絶対お店に行く」と強い意志をもって予約を入れ、そこから月イチで恵比寿にある彼女のお店に夫婦で通い続けました。(当時通ったお店は閉店しており、現在は西麻布に 「 EUREKA! 」 という日本酒バーを開いています👇)
千葉さんが提案する日本酒ペアリングは日本酒を化学的に解析しながら、食事に合わせて新たな香味、調味を生み出すといったもので、お店に行く度にその魅力にずぶずぶとハマっていったのです。
【着火】披露宴で日本酒ペアリング
千葉さんのお店に通い始めたのは、数ヵ月後に結婚式を控えていた時期。
披露宴でフレンチのコース料理と日本酒を出すことは決めていたけれど、ボンヤリとしていました。千葉さんの影響で「しっかり日本酒と料理を合わせたい」と考えるようになり、千葉さんからアドバイスをいただいて、結婚式で日本酒ペアリングにこだわった組み合わせで酒を提供することにしました。
ここから日本酒と食事の組み合わせを自然に考えるようになり、日本酒をさらに深く追及していく「きっかけ」にもなりました。
【挑戦】オリジナルの酒を造る
ご存知の通り、私たち夫婦は、日本酒関連の資格を多数取得しております。
なぜ薬剤師と関わりのない資格を取ることになったのかというと、SNS上の薬剤師有志でオリジナル日本酒を作ろうという話になったからです。
そのためには日本酒の専門的な知識や飲んだときの味わいや香りへの理解が必要でした。実際にお酒をオーダーメイドするときに精米歩合や酵母の特徴などを基に、近づけたい味わいをイメージしながら注文しています。
日本酒の造りを知れば知るほど日本酒に愛着が湧くようになり、ただ「飲む」だけでなく、日本酒を「伝える」ことに重きを置くようになりました。
【決行】日本酒について知る為の講座を開催
そして、つい先日のGWに「学問バーkisi 京都店」にて、「”SAKE”を知る」という講座をやらせて頂いて来ました。
知識を深めるうちに自分たちが「日本酒について知りたい」と思うだけでなく「日本酒を他者に知ってもらいたい」と思うようになりました。日本酒って「飲む」に辿り着くまでのハードルが高すぎるのですよね。アルコール度数も高いのでそう言った理由から敬遠されがちです。
講座のために作成したスライドは、なんと全部で90枚!
実はスライド作りプロの橋本さんに、イベント前々日にスライドのチェックをして頂いておりました。(感謝)
当然?ながら(私たちがぜひ飲んでいただきたく)会津のお酒を持っていきました。
大盛況でイベントは無事に終わり、お客様からも多くの声をいただきました!
こんな声をいただけて、とても嬉しかったです。
日本酒の講座イベントは2年ぶりで、久しぶりに貴重な経験をさせていただきました。
イベントの場を提供していただき、私たちが現場で当日動けるよう気配りしてくださった、メタルファーマシーの川野さんに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
【脱線】酒蔵と薬局の共通点?
日本酒と関わっていくうちに酒蔵と薬局って似ているなと思うようになりました。
薬も日本酒も原価が安い傾向がある。
酒蔵の仕事も薬局の仕事も人の目に触れることは少ない。
知恵を応用して酒を造る蔵人と知識を駆使して患者さんを守る薬剤師
なんだか似ていませんか。会津に移住してから、より他人事に思えなくなりました。
酒蔵さんへの応援だけでなく、薬局で今後「お酒を飲みたい」人にとって味方になってあげられるような手助けが出来たらいいなと考えております。
酒蔵の現状と地域の課題
ところで、現在全国で酒蔵が減少していることをご存知ですか。
2000年から2016年の間に572場が廃業となりました。その後も緩やかに減少は続いており、私たちのいる福島県でも3年間で70場から66場へと減っております。
この現象が続くと次に何が起こるか。酒蔵の廃業だけでなく米農家も廃業していくことが懸念されます。
産業が衰退していくことで地域が衰退していく。同時にその地域の日本酒文化も消えてしまうことになります。
どんな米で、どこの水で、誰がどんな思いで、どう造っているのか。
製造過程や背景ですら地域の文化になるのが日本酒です。
日本酒を飲むことで地域の文化を知り、その地域が好きになる。
日本酒文化を守ることが酒蔵や米農家を支援することに繋がり、地域の産業を守ることに繋がると思っています。
なので、日本酒を飲んでみよう!
日本酒は専門的な言葉も多く、どれを選んでよいか分からないとよく言われます。しかし、以下のポイントを踏まえれば楽しく飲むことが出来ます。
①「海沿い」の日本酒であれば「海沿い」の食材、「山沿い」の日本酒であれば「山沿い」の食材が合う
某雑誌でも紹介されたことがありますが、日本酒初心者でも料理と合わせやすいやり方ではないでしょうか。酒や食材は他県同士の組み合わせでも良いですが、郷土料理と地酒の相性は最高です。例えば会津地方の酒と合わせるなら山菜のお浸しや馬刺し、ニシンの山椒漬けなどがよく合います。各地の郷土料理は自然とその土地のお酒に合うように出来ているので是非地元の料理と日本酒で試してみてください。
②180ml瓶などの少ない量の日本酒から手をつけてみる
日本酒に手を付けにくい理由として、瓶のサイズが720mLや1800mLと普段飲まない人からしたら多すぎることです。1升瓶を買ってしまって合わない味が出てきたら最後まで1人では飲み切ることが難しくなります。しかし最近では酒屋やスーパーで180mLの飲みやすいサイズの瓶も販売されています。この量はちょうど1合になるのでどんな味か気になっている場合にはおすすめです。
③日本酒に詳しい人に話を聞いてみる
最近では酒屋やデパートでもお酒の味わいを説明してもらえる場所が増えてきました。またどんな料理が合うお酒なのかを教えてくれる酒屋もあります。お酒売り場の中からラベルだけを見て買うのも良いですが、飲みたい味わいがあるならば、その場所のお酒販売員に聞いてみましょう。
日本酒専門の居酒屋に連れて行ってもらい、少量から楽しんでみるのも良いでしょう。
私たち夫婦も日本酒についての相談をいつでも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。日本酒講座のご依頼もお待ちしております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。日本酒を通して、その地域の魅力に気付いていただければ幸いです。