ハタテアヤのトリセツ ~親愛なる上司 ハシモトサトシ 様~
二月十六日
拝啓。
お疲れ様です。ハタテ アヤです。
ほぼ職場で毎日お会いしているので、こうしてお手紙を書くのはなんだか新鮮です。
ハシモトさんは、前回の黒歴史 読まれましたか?衝撃でしたね。どこかのブラック企業…のエピソードかと思いました。
仕事をする上でプライベートを充実させることはとても大切なので、休みをキチンととれる制度や体制が確立されて本当に良かったです。
さて。「何故、手紙なんだい?」と気になりましたでしょう。私の大好きな「恋文の技術」という森見 登美彦氏の小説があります。
今回のトリセツはこの小説の形式をオマージュして語れたらいいなと思って書きました。非常に面白い作品なので、ハシモトさんも機会があればどうぞ。
早いもので入社面接日から半年が経過しました。時の流れは水の如し。まさかハシモトさんの下で働くことになるなんて、半年前の私に想像出来たでしょうか。
「今、こうして一緒に働いているのも不思議なご縁ですね」と先日、分包機に語りかけるかのように呟いていたハシモトさんの横顔は哀愁漂うと表現していいのか、ただ単に疲れていただけなのか…それを私が見極めるには、まだ日が浅いようです。
そうそう。入社面接時エピソードを忘れ去られていては悲しいので、思い出して頂けるよう過去の記事を貼っておきます。この記事、内定通知が届いたその日に書きました。とっても懐かしいですね。
それでは、ほんの少しだけ私のことについて語らせてください。
意外にも真面目な酒呑みです、私。
何回かお会いしていたハシモトさんにはお見通しのことだったかと思います。
入社面接の当日、緊張で手汗も止まらない私に「緊張してしまうなら、酒を飲んで面接に行けばいいんですよ。伝説を作ってください 笑 」と冗談だか本気だか分からないメールを送ってきてくれましたね。
「はい?そんなの落とされるに決まってるでしょう?」と、私は即座に心の中でエア返事をしました。緊張で固まっていたはずの私の顔が、一瞬にして真顔になっていたことでしょう。
あの日は面接のことで頭がいっぱいだったが故、ハシモトさんへのお返事メールも塩対応になってしまいました。当時の私をお許しください。これは懺悔です。
日本酒愛が深すぎてドン引きされないか心配でした。
昨年の春、初めてお会いしてすぐにも関わらず、ほぼ一日中、会津酒蔵巡りに連れ回してしまいました。その秋には日本酒の専門図書をハシモトさんへ贈るという行為にまで至りました。
なお、それらの行為については今でも反省はしておりません。
また、酒蔵で購入した日本酒をその場で封を空けて飲むというハシモトさんの姿は粋でした。酒呑みとして見習いたいです。
つい先日、口が滑って話してしまった数年前に泥酔して上野の路上で立ったまま寝たエピソード…会社のみなさんには内緒にしておいてくださいね。お願いしますよ。
思い立ったら即行動。というか、動かずにはいられないんですよね。
これをハシモトさんは「暴走」と呼んでいましたね。
「これだ!」と思ったら猪突猛進、猪のように突っ走る。残念ながら私は辰年なので、猪の性質を兼ねた辰ということになります。自分でも思います、勢いがありすぎる。
冬の会津を走り回る除雪車の如く、良くも悪くもパワフルです。
ハシモトさん、いや、師匠。どうか暴走しすぎた時には弟子を止めてください。これは師匠の使命でもあります。
会津で初めてお会いし、私たち夫婦と一緒に飲んだ際、師匠は酔った勢いで「こっちに移住しちゃいなYO☆」と、そうお誘いしてくれましたね。
その一週間後、私たちは移住相談しに都内へ出向き、数ヶ月後に面接を経てあっという間に入社することになりました。
初出勤直前の昨年末に飲んだ時は「あの時は軽い気持ちで言った。まさか本当に埼玉から来ると思わなかったんだ(怯)ただ、俺にも責任はある」と胸を張って言ってくださって、弟子はとても嬉しかったです。
あらためまして、タカハシ リョータさんと一緒に入社するキッカケをくださり本当にありがとうございました。今後とも私の管理をよろしくお願いいたします。
追伸
雪玉をこさえて師匠の背後をとるのが私の今季の目標です。それなのに今年の会津はあんまり雪が降りません。何とかしてください。
では、またみずき薬局でお会いしましょう。
草々
新人中途酒呑み ハタテ アヤ
史上最高に弟子思いな師匠へ