プライマリ・ケア認定薬剤師への道 ~エピソード0~
どうも、みずき薬局の橋本です。
最近めっきり寒くなりましたね。車のタイヤも変えて「いつでも来いやぁ雪!」って感じです。
これから会津は冬突入ですが、私は燃えています。
なぜなら…、「プライマリ・ケア認定薬剤師」に、私はなる!!!
なぜプライマリ・ケア認定薬剤師?
唐突にプライマリ・ケア認定薬剤師になる!っていわれても何のことかわかりませんよね。事の経緯を説明します。
当グループ代表の馬場(き)(以下、祐樹さん)は、プライマリ・ケア認定薬剤師の資格をもっており、他のスタッフにも勧めていました。しかし、誰も取ろうとしてくれなくてちょっとさびしそう…
私も新人や若手に勧めたりしていましたが、「まだちょっと...」とみんな二の足を踏んでいるような状態。理由を聞くと、「なんかむずかしそう」とかハードルが高いと思っている方がおおい印象でした。
それなら私がとりましょう!
というのも薬剤師的に雑魚な私(半分陶芸ですから...) が取れれば、他のスタッフのハードルが下がるのではという期待もあるからです。 プライマリ・ケア認定薬剤師がどの程度の難易度なのかよくわかっていませんでしたが、祐樹さん曰く簡単にとれるとのことで(ほんとかいな?)ノリで入会してみました。
今回は「エピソード0(ゼロ)」ということで、プライマリ・ケアとはなんぞや、プライマリ・ケア認定薬剤師の取り方について書きたいと思います。
これを読めばだれでも認定薬剤師になれるはず!?
そもそもプライマリ・ケアとは
米国国立アカデミー(NAS)はこう定義しています。
要するに「身近にあって、なんでも相談にのってくれる総合的な医療」というイメージです。
プライマリ・ケアがきちんと機能している国の一つがイギリスです。
イギリスでは最初にかかる医者は自分が契約したGP (General Practitioner=総合診療医、家庭医)と決められていて、健康に心配があったら、まず自分のGPに見てもらいます。GPが診断して更に専門的な治療が必要な場合は、専門医を紹介します。医療機関に足を運ぶ80-90%はプライマリ・ケアで健康を取り戻すことができるといわれています。
日本では現在かかりつけ医(開業医)がその役割を担っていますが、本来はイギリスのようにプライマリケアを専門としたGP が行うのが理想だそうです(日本の開業医の多くは特定の診療科を標榜しているのでGPとはいえません)。
日本だと胃が痛かったら消化器科、肩が痛かったら整形と自分で判断して受診してしまう事が多いので、結果としていろいろと無駄が多かったりしますよね。
プライマリ・ケア認定薬剤師とは
一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会によって認定される資格です。
薬剤師は医療の初期段階で関わる機会も多く、プライマリ・ケアの知識は今後ますます必要となってくると思います。
プライマリ・ケア認定薬剤は現在どれくらいいるの?
2011年2月に開始され、認定者数は224名(2022年3月1日現在)
現在はもっと多いと思いますが、意外と少ないですね。
ちなみに会津は祐樹さんだけみたい(東北で22名?本当に簡単にとれるんですよね?ちょっと心配になってきた)。
気を取り直して、どうやったらプライマリ・ケア認定薬剤師になれるのか調べてみました。
超ざっくりプライマリ・ケア認定薬剤師の取り方
Step1 入会
↓
Step 2 必要単位を取得
↓
Step 3 試験+審査
↓
合格(めでたくプライマリ・ケア認定薬剤師)
必要な単位の取得方法
プライマリ・ケア認定薬剤師になるには4年で50単位必要です。
50単位の内訳としては
15単位まで=e-ラーニング (HPにある動画みるだけ)
8単位=見学実習(唯一実地参加)
それ以外は学会認定の研修 (オンラインが多い)で単位を取得します。
秋季セミナー(6単位)、学術大会(6単位)に参加すれば、残りは15単位なので、あとはちょこちょこ研修に参加すれば達成できそう。
コロナ流行以降、オンラインで受講できるものばかりなので、かなりハードルは下がっています。 祐樹さんが取った頃は東京まで研修に通っていたようです(お疲れ様です)。
唯一ハードルが高いと感じたのは見学実習で、受け入れ先の病院に自分で連絡を取った上で、最低でも4日間の見学実習が必要みたいです。
いろいろ考えてもしょうがないので、とりあえず入会します。
Step1 まずはプライマリケア学会に入会
入会はとても簡単です。
このフォームに必要事項を入力して、お金を払えば入会完了。
学会費補助申請も忘れずに!
なんとプライマリ・ケア学会は、会社から学会費の補助があります。
こちらの申請も忘れずに。
研修開始届書を提出
入会すると研修開始届書が入った封筒が届くので必要事項を記入して返信
さぁ準備は整った!
あとは研修をうけるのみ。
エピソード0なので、本来ここで終わる予定でしたが、勢いでいろいろ研修をうけたのでそちらも書いときます。
Step2 実際研修をうけてみたよ
今のところうけた研修
認定薬剤師研修 『これからの薬物相互作用マネジメント~臨床を変えるPISCSの基本と実践~』 2単位
認定薬剤師研修 『薬剤師の視点で関わる多疾患併存(マルチモビディティ)』 2単位
第20回秋季生涯教育セミナー 事後オンデマンド配信 6単位
web講座 4コマ 4単位
この2ヶ月程度で14単位取得できました。
このペースでいくと1年程度で必要な単位をすべて集められそうです。
うけてみた感想
とにかく面白い!
当初の目的は、認定薬剤師の取得といった資格取得の要素が強かったのですが、実際研修に参加してみてその面白さに驚きました。私の興味がある分野(在宅、EBMなど)にドンピシャな内容のものが多くありました。
面白かったポイント
多職種の方が多く参加している
薬剤師向けの学会だと、どうしても内容が薬剤師に限られていて、身内感が強い印象がありますが、プライマリ・ケアは医師や他の職種の方が多く、いろんな意見に触れることができます。薬剤師の立ち位置も知ることができます。マルモカンファレンスが面白い
祐樹さんが以前社内でも紹介していた、南砺市民病院の大浦先生 が行っている マルモカンファレンス が無茶苦茶面白い(マルモ=マルチモビリティ 他疾患併存状態のこと。大浦先生のコラムが詳しいです)。カンファレンスの面白さ言葉では説明しづらいので、是非参加してほしいです。
Chat-GPTの利用法など最新の話題も多い
秋季セミナーにはChat-GPTとプライマリ・ケアというようなホットな演題もありました。Chat-GPTなどのAIが当たり前になった時代の医療について考えたりして面白かったです。
まとめ
若干ノリで入会しましたが非常に楽しい学会で参加して本当によかったです。6月にある学術大会にも是非参加したいと思っています。
⬆ JPCA2023レポート動画も、とっても楽しそう
プライマリ・ケア連合学会はこんな人におすすめです
在宅、地域医療へ興味がある方
プライマリ・ケア連合学会は多職種が参加しているので、薬剤師が医療チームとしてどう関わったらいいか、連携方法などについても知ることができます。EBMが好きな方
EBM系の研修も充実しています。今回は参加できませんでしたが、南郷先生のEBMワークショップも定期的に開催しているようです。(EBM形式の抄読会は社内でもやっているので、そちらもぜひ!)なにか勉強したいけど、なにしたらいいかわからない方
(新人、ベテラン問わず)
薬剤師として何か勉強したいけど、なにをやったらわからない方はとりあえずプライマリ・ケアを学んでみませんか? 会社の目指す方向性とも近いので、プライマリ・ケアを学んでおけば業務に活かせる機会も多いと思います。
とりあえず入会をためらっている方は、まずは入会してみましょう。
そして、ぜひ私と一緒にプライマリ・ケア認定薬剤師の取得を目指しましょう!
朗報
2年目の五十嵐くんがプライマリ・ケア認定薬剤師を目指してくれるようです! 今回エピソード0としたのはそのためで、今後のエピソードは、五十嵐くんのプライマリ・ケア認定薬剤師の道として報告してもらいます。
五十嵐くん、よろしくね!
※注意:私もちゃんと取りますよ。