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【寄稿シリーズ】BYARDサービス提供終了のお詫びとお礼
こんにちは。御社の導入担当をしているBYARDの鈴木高太郎です
(写真はSmart相談室のフーディーを着てますが、BYARDの人間です)。
すでにご存知かと思いますが、2025年2月28日18:00をもってBYARDのサービス提供を終了いたします。
御社でBYARDを中心的にご活用いただき、これからさらに高度な活用を進めていこうというタイミングでの終了となり、本当に申し訳ございません。私どもの力不足でした。改めて皆さまにこの場を借りてお詫びとお礼を申し上げたく、寄稿させていただきました。
ご縁は2022年2月から
ふり返ってみますと、会喜さんには、ベータ版(無料版)の時代からお付き合いいただきました。
最初は馬場さんと亮太さんお二人のご利用からスタートし、主にバックオフィス業務の整理を進めてまいりました。
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当初の主な目的は、育休明けの方が復帰されるタイミングで、バックオフィス専任不在の中でもリモートワークでバックオフィス業務を遂行できる体制を整えることでした。
店舗業務への活用拡大
その後、店舗事務業務の整理に着手し、「女スパイ」ことなっちゃんさんを中心にレセプト業務やOTCなどから取り組みを始めました。
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特に印象的だったのは、各店舗で同じ業務でも進め方がバラバラだったことです。業務の特性上、最終的なアウトプットさえ同じなら手順が異なっても問題はないのですが、店舗異動の際にそれぞれの店舗独自のやり方を覚え直す必要があり、学習コストが非常に高いという課題がありました。
なっちゃんさんの献身的な努力と各店舗の事務担当者の皆さまのご協力により、現在は共通した業務フローが確立されています。当時は事務の皆さまにも大きな負担をおかけしたのではないかと振り返っております。
アンバサダー制度による広がり
2023年3月からは、アンバサダー制度を導入し、各店舗からエース級の社員8名を選出いただき、店舗向けの業務整理を本格的に開始しました。
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アンバサダー会議は定例で実施していましたが、スタート当初は運用方法も固まっておらず、業務整理の進め方も手探りの状態で、みなさんが少し困惑気味だったことを今でも鮮明に覚えています。
私自身も手探りの状態でしたが、まずはみなさんの前で画面共有をしながら具体的な店舗業務をヒアリングし、それをストリームに落とし込んでいく実践的なデモンストレーションを行いました。
これによりみなさんの理解度が一気に向上し、各アンバサダーが役割分担しながら様々な業務を整理していった結果、約1年かけて120個の業務テンプレートが作成され、各店舗で活用していただけるようになりました。
業務設計を明確な目標として設定し、突き進んだことが大きな推進力になったと実感しています。
飛躍のきっかけは
御社でBYARDが大きく飛躍したきっかけは、薬剤師のシフト確定という大きな課題を解決できたことです。これを通じて、みなさんが業務整理のコツと重要性を実感されたのではないかと思います。
当時を振り返ると、全店舗の薬剤師のシフトを月1回決定・提出する作業を、担当者1人が薬剤師の個人的な予定や各店舗のイベントを調整しながら、孤軍奮闘で対応していました。その結果、シフトの確定がギリギリになり、他店舗へのヘルプ体制も担当者の管轄店舗のスタッフに依存する状態でした。
さらに、シフト確定と同時に次月の調整が始まるため、休日でも常にシフトのことが頭から離れない状況でした。当時、ご本人はそれほど気にされていませんでしたが、おそらく精神的な負担は相当大きかったと思われます。
そんな中、社内アンケートでシフト確定の早期化を望む声が上がり、また孤軍奮闘する担当者の姿を間近で見ていたアンバサダーの方々からシフト管理の整理を要望する声が挙がりました。シフト担当者と私で実態調査として現場の業務フローを確認していく中で、私から見て「過剰な管理になっているのではないか」という疑問が生まれました。
そこで、店長への権限移譲や重複管理の解消について、アンバサダーの方々と定例会で検討したところ、全く問題ないとの回答を得ました。店長会議での承認を経て、新しいオペレーションへの移行がスムーズに完了しました。これは、アンバサダーチームが各店舗の主任、店長、マネージャーといった業務に精通した方々で構成されていたからこそ実現できました。
その結果、現在では2週間程度でシフトが確定し、社内からの懸念の声も無くなりました(毎月2週間かけてシフト調整をしてくださっている担当者の努力には、大変敬意を表します)。
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このような成功を経て、BYARDの活用はさらに高度化し、店舗運営の年間・月間業務、薬剤師としての年間業務なども整理していきました。これにより、新しく店舗を任された方や役職に就かれた方が混乱なく業務を開始できるよう、将来の新任店長も見据えた準備を進めてきました。
業務設計の重要性は高まる
そんな矢先にこのような事態となってしまい、本当に申し訳ございません。
また、完全に代替となるサービスが存在しない状況ですが、今後の移行方針については改めて協議させていただければと存じます。Notionへの移行が可能な部分もあるかと思いますし、一部はスプレッドシートへの移行も検討できるかもしれません。
私どものサービスは終了いたしますが、業務設計の重要性は今後さらに高まっていくと考えております。労働人口の減少に伴い、一人当たりの業務量は徐々に増加していくため、システムを活用して、Excelのバケツリレーの最小化が不可欠です。そのためには、まず業務の再設計が重要となります。
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今回アンバサダーのみなさんが実感されたように、業務設計は特定の人材や能力に依存するものではなく、誰もが取り組める活動です。集中して取り組めば、それほど多くの時間を要しません(また、振り返りと適宜の修正も重要ですね)。
一人ひとりの小さな可視化の積み重ねが、大きなイノベーションにつながります。引き続き何らかの形で業務改善を続けていただければと期待しております。
御社とは約3年にわたり、総打ち合わせ件数70回(70時間)、飲み会3回(+プライベート1回)、オフラインイベント2回と、合計 100時間ちかくお付き合いさせていただきました。これは私にとって大変貴重な財産となりました。心より感謝申し上げます。
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3回会津若松にお邪魔させていただき、訪れるたびにこの町への愛着が深まりました。特にラーメンの美味しさには感動しています。
実は亮太さんと初めてお会いした際、「喜多方が日本三大ラーメンに数えられていることが理解できない」とお伝えしたことを、今では後悔しています。単に本当に美味しい喜多方ラーメンに出会えていなかっただけでした。
何度もお食事をご一緒させていただく中で喜多方ラーメンの奥深さを実感し、今では家族全員が大ファンになりました。この素晴らしい味に出会わせていただき、本当にありがとうございます。
最後に
最後に、BYARD導入の成功要因として以下の点を挙げさせていただきます。今後の新たなツール導入時のご参考になれば幸いです。
このままではいけないという課題意識を共有すること
エース級の人材をアサインすること(サービスの特性により異なりますが、BYARDの場合は業務変更の意思決定が必要なため)
最初は不安でも、まずは実践してみること
カスタマーサクセス担当者を効果的に活用すること
以上、私の気づきをフィードバックさせていただくことで、お礼とさせていただきます。
私の今後についてですが、現時点では未定です。まずはお客様へのご迷惑を最小限に抑えることを優先し、その後メンバーのケアを行ってから、自身の進路を考えたいと思っています。
ただし、ご心配には及びません。スタートアップの世界で生きる者として、このような状況は覚悟の上です。今後も幾度となく危機に直面するでしょうが、それこそが私の望む道です。これは一種の中毒かもしれませんが、むしろ危機感のない状態では生きている実感や人生の充実感を得られないと感じるほどです。
これからも社会に貢献し、根本的な解決策を提供できるような活動を続けていきたいと考えております。長きにわたりありがとうございました。
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