見出し画像

おくすりチェックサービス始めました@会津若松

どうも、みずき薬局の在宅大好き薬剤師のハシモトです。
先日プレスリリースでも発表がありましたが、新しい取り組み「おくすりチェックサービス」を始めました。

まだ始まったばかりで、みなさんどうやって使ったらいいかよくわかっていない方も多いと思います。今回、このサービスを今後どのようにして運用していくか、簡単にお伝えしたいと思います。


「おくすりチェック」サービスとは?


おくすりチェックサービスとは、ケアマネージャーや介護施設、またはご家族からのご依頼で薬局の薬剤師が訪問し、ご本人様から薬物治療に対する理解や不安感などのお話しを伺い、薬の管理状況や服用状況、併用薬などを確認いたします。訪問時の情報を基に薬剤アセスメント(薬物治療の課題抽出)を実施し、結果を文書でご依頼元へ情報提供をするサービスです。

プレスリリースより

要するに、薬剤師が患者さんのご自宅に訪問して、きちんとお薬を飲めているか無料でチェックするサービスです(そのままやんけ)。基本的にチェックするだけで、残薬の回収や一包化などの介入的なサービスは行いません。
※詳細はプレスリリースを読んでくださいね。

導入の経緯


プレスリリースにはさんさん薬局の山﨑さんに技術指導をしてもらったと書いてありますが、実際は会津に遊びに来た山﨑さんからこのサービスを教えてもらい、以下のような軽いノリで実現しました。

我々「むっちゃいいサービスですね!、パクっていいですか?」
山崎さん「いいですよ〜」

さんさん薬局の山﨑さん、本当にありがとうございました!

画期的なサービスじゃない?


山﨑さんからこのサービスを聞いたとき、なんで今まで思いつかなかったんだろうと思いました。無料訪問サービスとかは薬剤師会などでもやっていましたが、アセスメントだけするという、ハードルは下げつつ、ケアマネさんのニーズも叶える目からウロコのサービスだと思いました。 (さすがケアマネ事業所の運営もされている山﨑さんならではの発想!)

善は急げ、TTPだ!


恥も外聞もなく、山﨑さんからいただいたチラシやアセスメントシートをもとにTTP(徹底的にパクる)しました(笑)

チラシとアセスメントシートを作成

インハウスデザイナー(社内デザイナー)の中島さんに依頼して、さっそく会喜用のチラシも作ってもらいました。

中島さんありがとー!

アセスメントシートも原案を在宅推進委員会でもんで作成しました。

アセスメントシートには以下のようなチェック項目があります

・薬の種類、服用数
・残薬の有無
・管理方法
・サプリの飲み合わせ
・抽出された課題
・モニタリングポイント
・訪問薬剤管理の必要性
・薬剤師からの提案 など

単に薬の管理だけでなく、課題やモニタリングポイントもチェック

モニタリングポイントとは、例えば慢性心不全の患者であれば、血圧、体重など、既往歴や服用している薬剤から、気を付けて欲しい部分も記載するようにしています。

近隣の包括、介護施設にチラシを配布


11月上旬にチラシとアセスメントシートが出来上がったので、順次各店近隣の包括支援センター、介護施設に持っていき、概要をお伝えしております(現在進行中)。反応はどこの施設でも良好で、すぐにでも依頼したいとおっしゃってくれる方もいました。

基本的な利用方法


おくすりチェックサービスの流れ

何度も言いますけど、無料です。

  1. ケアマネさんなどから依頼が来る

  2. 訪問日を調整

  3. 薬剤師が訪問

  4. おくすりチェックをして、文書で情報提供

対象者

基本的にどなたでもOKです。

  • 服薬に問題の抱えている方

  • 複数の医療機関にかかっている方

  • 残薬がたくさんある方

  • きちんと薬が飲めているか心配な方 など

実際におくすりチェックをやってみたよ


まだ開始して間もないため、依頼がなかったのでこちらから自主的に「おくすりチェック」を2件行ってみました。

どこかでみたことあるような患者さん.…?

Case1:新規居宅依頼があった方のご主人

新しく個人宅管理を依頼されてご自宅を訪問した際に、そこのご主人も服薬に問題を抱えていることがわかりました(在宅あるあるのケース)。ついでにご主人のお困りごとなどを聴取し、アセスメントレポートにまとめて、奥様を担当しているケアマネにお渡ししました。

Case2:包括から依頼のあった方

近隣の包括から薬の管理をお願いされ、初回訪問時に若手薬剤師と一緒に訪問した際に、聞き取った点を若手薬剤師にアセスメントレポートにまとめてもらい、包括と今後利用予定の施設のケアマネに直接お渡ししてきました。

ケアマネさんからの反応

・薬のことはわからないので、薬剤師さんが訪問してくれてチェックしてくれると本当に助かる
・ケアプランの作成にも使えるので担当者会議前にレポートをいただけると嬉しい
・本人に話を聞くと「薬はちゃんと飲んでいるから大丈夫」と言われるとこちらではどうしようもないので、薬剤師さんが実際チェックしてもらえるとありがたい(実際飲めていないことが多い)

好評でした!

レポートを作成した若手薬剤師(Sさん)の感想

確認事項が決まっていればそんなに時間もかからないです

アセスメントシート使ってみての感想は、最初に思ったことが「手元にカンペがある安心感」でした。

シートが手元にあると、確認しなければならないことがわかるので、確認漏れなども発生しにくく、とても助かるなと思います。

また、こういった聞き取りをやっていけば、自分の頭の中にもアセスメントシート的なのが出来てきて、アセスメント力も伸ばしていけるんじゃないかと感じました。

確認事項がわかっていると安心ですよね

実際作成したアセスメントシートはNotionのデータベースで共有されているので、是非みなさん見てください。

ハシモトの感想


この「おくすりチェックサービス」は以下点でとても有用なツールだと感じました。

1. 地域の潜在的に服薬に問題を抱えている方の掘り起こしができる

薬の専門家である薬剤師がチェックすることで、一見服薬に問題ないような方でも、服薬上の問題、課題を見つけることができます。
例えば薬の管理上の問題だったり(湿気に弱い薬をバラして保管など)、服用時点の問題(骨の薬を食後に服用など)を発見したりできるかもしれません。

2. 営業用のツールとして有用

現在、会喜では介護事業所向けの営業向けコンテンツとしては、各種勉強会の提案(薬の勉強会、認知症世界の歩き方ワークショップなど)、管理栄養士の料理教室や講話などがありますが、そこにこのサービスも加わることで、営業力向上が期待できます。営業力は当社の課題なので、積極的にこのサービスをPRしていきたいですね。

3. 研修ツールとしても有用

現在、在宅推進委員会では月に1回在宅研修を行っています。
研修者には訪問同行時にこのシートをつけてもらい、先輩薬剤師と一緒に課題やモニタリングポイントのディスカッションを行うようにしようと思っています。

薬剤師としての臨床経験の差はアセスメント力に現れると思っているので、そのあたりをこのシートを使いながら共有できたらいいなぁと思います。単に同行するより、学びが深いこと間違いなし!

今後の展開


おそらく、チラシを配っただけでガンガン依頼が来ることはないと思うので以下のようにサービスを広げたらと思っています。

  • 外来で服薬に問題がありそうな方がいたら、訪問してこのアセスメントシートを作成し、包括スタッフ or ケアマネさんに渡す。

  • 個人宅の依頼があったら、初回訪問時は毎回アセスメントシートを作成し、そちらをケアマネさんに渡す。

このサービスがあたりまえのように認知されれば、依頼のハードルも下がり、気軽に依頼が来るようになるかもしれません。

それまでは地道に「おくすりチェックサービス」の普及に努めましょう!

その他には管理栄養士版のアセスメントシートの作成も現在行っており、今後は管理栄養士の栄養チェックサービスとかもできたらいいなぁと思っています。

終始真面目だったので…

これからも地域のみなさまをハッピーにするための行動をつづけていきまーす!