
面接という限られた時間の中で、キャリコンの私がしている人と話の掘りかた
お疲れさまでございます。
企画・採用担当のタカハシ(@taremetabo)です!
今月のテーマは「KODAWARI」。もれなくタカハシも 編集長より…
「変態的にこだわっていることについて記事をお願いしますね。ラーメン以外で(にっこり)」
さて、なにか KODAWARI(こだわり)あったかな。
話は変わりますが、最近「息抜きできてる?」 「趣味とか作ったら?」とご心配いただくことが多々あります(会喜のみなさま、お気遣いありがとうございます)。
しかしながら、何事にも大して興味も熱意も湧かず…。大好きだったはずのラーメンやコーヒーへの関心も薄くなってきている今日。
そんなとき、同級生でもある社長より「人を深掘るの好きじゃーん」と言われ、妙に納得したので、その内容について書いていこうと思います。
想定読者は…
・私が考える“人の深掘りかた”に興味のある方
・面接って何のためにやるの?…と感じている方
・会喜グループの採用面接について知りたい方
人の背景(行動特性)を探るのが好物
そもそも、人間観察が好きなタカハシ。先日も飲食店にて厨房にいるスタッフを目で追っていたら何度か目が合ってしまい、なんとなく気まずい雰囲気に。
でも、お店の中にはどんな方々がいて、どんな表情で、どんな話をしているのだろう…など観察しちゃいませんか?(後述の「傾聴」に通ずるところ)
なんなら、密着ドキュメンタリーやインタビュー番組なんて24時間見ていられますし、「なぜ、この言葉を選んだの?」「表情の変化の理由とは?」「自分ならこの部分を拾って、こういう質問をする!」まで考えちゃう。

たまに面接や面談にて、人物像についてあまり掘らなかったりすると、「今日はあまり掘らなかったね!興味湧かなかったー?👓」とフィードバックをいただくことも。
たぶん、その方の生き方やキャリア、行動の背景に興味・関心があるんですよね(※ ちなみに陰キャなので、実は人付き合いが苦手です )。
面接ではどんなことを確認しているのか
今現在の会喜グループ(@会津)の選考フローは、以下の通りです。
■ 選考フロー
会社説明会・見学
↓
選考課題(作文)の作成
↓
適性検査
↓
面接
情報収集のため、〜会社見学の時点で簡単にお話を伺うこともありますが、基本的に深掘るのは面接になってから。
履歴書に記載してあること、作文や適性検査の内容を基に人物像について深掘りしていきます(加えて、経験者・中途採用に関しては、スキルチェックや実務に関してのディスカッションや相談も)。
また、確認するポイントは3つあり、当社のCredoに沿って行っています。
1.その方が考える「親切」「あたたかさ」「やさしさ」 とは
2.記載内容や発言内容、具体的な行動(特性)に一貫性はありそうか
3.キャリア・ライフビジョンと、会喜の目指す未来がどうリンクしそうか
目の前に対峙しているひとり一人の反応に合わせて質問内容を変え、確かめたい具体な内容を引き出せるまで、物分かり悪くしつこく訊いていく。その方との対話を深めていくイメージで臨んでいます。

また、面接の分類としては「半構造化面接」に入るため、面接官の「アンコンシャス・バイアス」対策としても有効だと感じています。
ちなみに、深掘ったから採用!…という判断をしているわけではありませんので、あしからず…。
経験の再現がその人を深堀るカギに
まず、面接にはどうしても「見抜く」「見立てる」という評価が入ってきます。とは言え、(応募者には一律お伝えはしていますが)選考という時間のなかで、その方のことを知り尽くすことは不可能に近いと思っています。
なので、どうしたらその方のことをより知ることができるのか…。表面(1F)に現れている誰にでも見えやすく、わかりやすい部分だけではなく、その方の潜在している本質の部分を深掘っていく必要があります。

前途の体験・経験を基にした課題作文を作成していただき、それを題材にエピソードのインタビューを実施していきます。「なぜその行動を取ったのか?」背景にフォーカスしていく…そう!その方の発掘隊になるのです!!
その中で、その方がモチベーションに感じることや根本にあるソース・オブ・エナジー(エネルギーの源泉)を掘り当て、描くビジョンと会喜の目指す未来を擦り合わせていきます。
「経験の再現」とは?
エピソードを深堀りしていく上で欠かせないのが「経験の再現」。日本キャリア開発協会(JCDA)が、2009年に発案した「経験代謝」のサイクルの中に出てくるキーワードの1つで、キャリアコンサルタントの資格取得過程(養成講座内)で学びました。

その方が経験した出来事を、その経験をした「人」と「経験」に分けて捉えていきます。経験を語ってもらうなかで、その話の中にその人のモノの見方や考え方(使っている言葉や表現、仕草など)が現れるというものです。
ポイントは経験を「できごと(事実)」と「考え・感情(解釈)」に分けた上で、両者を確認していくこと。言語化してもらうことにより、その行動した理由、経験から受け取った意味などを知ることができます。
その人にとって、とある経験が「どのように見えたのか」「どう感じ、どういう思いを持ったのか」「どのような行動をとったのか」…など、対話等を通して本質的な部分(価値観・行動特性)を探求していくイメージです。
ここで、その方の当社Valueへのフィット感、行動経験を確認しています。
「自己概念の影」をつかめ!
■ 自己概念の影とは
前途の「経験の再現」のなかで、その語りの言葉の中に現れる「何度も繰り返される言葉・矛盾した言葉」「独特な表現(その人らしさが現れている言葉)」「その人の表情や仕草が変わったところ」のこと。
簡単に言うと、その人らしさがチラッと垣間見えた瞬間で、意味の出現の手がかりになるものです。「感情」や「価値観」の入った言葉や表情の変化を逃さないように観察、丁寧に拾い、経験の再現につなげていきます。

土台にある傾聴のスタンス
そもそもの話をするのを忘れていました!当たり前のことですが、信頼関係が築けていないと相手の本当の感情はでてこないと言われています。
たしかに、他者と完全にわかり合うことは難しいことかもしれません。しかし、少しでもわかり合うために互いに探り合う。そのために、土台となる「傾聴」のスタンスがとても大切になってきます。
傾聴のキホンとして有名なのは、カール・ロジャーズの「三原則」とアレン・アイビイの「マイクロカウンセリング」ですよね!…ね!
■ ロジャーズの3原則
1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。
2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって相手は安心して話ができる。
3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。

■ かかわり行動
聴き手の積極的な傾聴姿勢を相手に示す技法で、以下の4項目を指します。
1.相手に視線を合わせる
2.身体言語(身振り手振りや姿勢など)に配慮する
3.声の質(大きさ、トーン、スピードなど)に配慮する
4.言語的追跡(相手が話そうとする話題を、安易に変えずについていく)
傾聴ができてくると自然と相手の言葉や表情、仕草に対して「なんでだろう?」という気持ちが湧いてくるように思います。この「なぜ?」という興味・関心が大切で、結果的に深堀り(経験代謝)に繋がっていくのです。
相手の心情を無視して踏み込んでも、よい結果は生まれません。うまく面接官がリードしつつ、信用を得ていくことで自然と相手も話しやすくなり、(相互理解をしながら)コンピテンシーより下層にたどり着けると考えます。
まずは、お互いが信用できることを確認できるような、目的ある雑談(アイスブレイク)を戦略的に使っていくことも大切でしょうか。
明確な正解がない採用面接だからこそ
採用面接って企業側も求職者側も、ちょっとでも「よく魅せたい」と思ってしまいますよね…。今年も退職代行サービスが話題になりましたが、お互い着飾ってばかりでは、入社後のギャップに苦しむことになると思います。
「こういうことを訊かれるから、こう対策しよう」「このように振る舞おう」ではなく、選考を通して、信頼関係と納得感を醸成していくことが大切だと感じています。

なんだか、会喜の採用面接のトリセツ?のようになってしまいました…。
ただ、時として人生を左右することになる採用だからこそ、面接官を務めるタカハシも本気で臨んでいます。
マッチング後は共に働く仲間になるので、お互い構えるのでなく、よい点も至らない点もオープンにし、ベストなマッチングになるように心掛けていたいですね。
おまけ
当時を振り返ってもらい、面接の感想を教えてもらいました!

事前に一生懸命練習して面接に臨みましたが、「それが本当のJさんなの?(もっと恐ろしい言い回しだったのかもしれません 笑) 」と言われ、そこからは想定していなかった本音をたくさん話したことを鮮明に覚えています。めちゃくちゃ見透かされてるかも…とドキドキしていました。
当時は就活を通して自分自身を見つめ直す期間でもあり、悩みや葛藤を抱えていたのですが、面接を通して視界が開けたような不思議な感覚がしました。今でも思い出して「頑張ろう!」と自分を奮い立たせています。
県外から面接を受けに来ていたのですが、緊迫した(?)時間を過ごした結果、気づいたら予定のバス時刻が迫っていて…(駅まで送ってくださり無事に間に合いました!)

具体的にどのような質問をされたかは覚えていませんが、深く掘り下げられたという感覚は強く残っています。…はい、そのような面接でしたね。
最初は面接用に準備していたことを話していましたが、発言の真意について深掘りされるので、途中からは諦めて、本音でありのままの姿で話すことになりました。冷や汗をかきましたが、面接後は不思議な清々しさを感じた記憶があります。
どMな私はもっとディープに掘り下げられたいと思い、入社を決めました!
一緒に働いている現在も鋭い指摘をいただく機会があり「これこれ〜」と内心思いながら楽しく仕事しています 笑
もし、このnoteを読んで「え?できていないじゃん…」と思った方(とくに近年面接をした方)がいらっしゃいましたら、遠慮せずコメント欄にツッコミをお願いいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました!
おしまい
会喜グループでは一緒に働く仲間を募集しています
2022年6月にグループ名を変更。第2創業期と位置付け、さらなる進化を遂げるため、新たな仲間を探しています。
また、タカハシに深掘られたい方も、随時募集中です!カジュアル面談や、会社説明会もご希望の日程で開催していますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。