アサノマミの入社エントリ
ミッドライフ クライシス
お疲れさまです。アサノです。
突然ですが、みなさまこの言葉をご存じですか?
…直訳すると「中年の危機」。「それまでの生き方や価値観を覆さざるを得ないような状況に見舞われる」と、とあるメンタルマネジメントの講師がYouTubeで語っています。
そう、まさに私は春先まで、この危機の真っ只中にいました。
仕事が、仕事が決まらないのです。
仕事だけではなく、あれも、これも、それも…(長くなるので割愛)。
すでに前職を離れてから、5ヵ月ほどが経過していました。企業の採用担当は、長期間の空白期間(ブランク)を嫌うようです。気持ちはわかります。実際のところ私はすでに、外出するのを億劫に感じ始めていました。
このままではまずい。仕事どころか、引きこもりになってしまう。
とにかく面接でもセミナーでも予定を入れて、無理にでも外出しなければ。この危機を乗り越えた先に、新しい自分らしさと出会えると信じて。
アサノは なぜ「いちかばちか」を鍛えるのか
次の面接の予定は、以前から興味のあった薬局業界の会社。しかしながら、未経験の業界。
…果たしてこの私に務まるのでしょうか。仕事がきつそう、スタッフさんもきびしそう、薬剤師さんもこわそう。そもそも自律とはほど遠い私には向かない業界なんじゃないか。
そうこうしているうちに、面接当日。
遅刻しないよう早めに家を出ます。しかし、思いのほか近かった。あまりに時間がありすぎて、付近を周回しながら、見ず知らずの老婦人に道を訊かれながら時間が過ぎるのを待ちます。
いよいよ、面接本番です。
私はすでに1社を辞退し、3社で不採用になっています。かつて、仕事に就くのにここまで苦労したことがあったでしょうか。焦りと不安が、全身どころか全宇宙を支配しているように感じるのでした。
今になって思えば、それこそがまさに会喜のカラーとわかります…しかし、私は自分に言い聞かせるのでした。「油断は禁物だ…」と。
さらに、自分を落ち着かせるために、直前に受けた面接対策セミナー講師(大手製薬会社のMR)の「どんな面接でも、面接する方も緊張しているものだ」という言葉を頭の中でひたすら繰り返していました。
自分の疑念とは裏腹に、面接は和やかに進みました(と、自分では思っていいます)。オープン社内報を見た感じたままの印象にほっとしたのを覚えています。
この会社は面白そうだな。ここで働けたら楽しいんじゃないか…。
希望はどこへ消えた?
それから数日ほどして、採否の通知を受け取る頃となりました。求人に応募後の電話連絡からこれまでの経過を勘案するに、今日あたり何らかの方法で選考結果の連絡があるはずです。
時刻は午前10時半過ぎ…電話はまだ来ていません。もしかしたら郵送でしょうか。思い立って、面接の時よりもさらに緊張しながら郵便受けを見ました。
社名が押印された封筒が見えます。
その瞬間、「あぁ、不採用か…」そう思いました。
封筒が薄いのです。その場でしばし固まり、ようやく手にした封筒は、やはり、コピー用紙1枚ほどの軽さ。恐らく文末には「今後のご活躍をお祈りいたします」などと書かれているに違いありません。
今回もダメだったのか…がっかりしながら、開封もせずに封筒をテーブルに置き、ご縁のなかった社名のスタンプを眺めていました。そのままゴミ箱に捨てようと思っていたのです。
辛すぎる。いくらなんでも辛すぎる。
またやり直しです。もう求人票を見ても、他に興味を惹かれる企業は見当たらない。また、履歴書と職務経歴書を量産する日々が始まる…。
眺めること20分…。
ふと、その不採用の知らせが入っているであろう封筒を、開封して結果をちゃんと受け止めよう、そう思いました。
強運な晴れ女
ハサミで、封を切ります。予想通り。B5サイズの用紙が1枚だけ。
面接の感触は悪くなかった気がしたのに、何がいけなかったんでしょう。適正検査かな?確かに謎なテストでした。いや、この長期間のニート生活で、いよいよ社会不適合者になってしまったのかもしれません。
まぁ、それも仕方ない。それも私です。そもそも不採用になるのに理由なんて無いんじゃないか。ただ、ご縁がなかっただけ。必要以上に落ち込むのはやめよう、そう言い聞かせて書面に目をやりました。
「採用」って書いてあるように見えます。何かの間違いでしょうか?だって、採用だったら、その後の手続き等々についても案内があるはず。けど、「採用」って太字になってるな。
いくらなんでも、太字にしておいて「採用」と「不採用」を間違えるなんてことあるでしょうか。文面は、「採用」を知らせる内容になっている。
ってことは、間違いではないってこと?ってことは、採用されたの私?
この内容だと、この後何かしらの連絡があるはず。喜ぶのはその連絡が来てからにしよう。何しろ私は、数週間前に入社日確認の電話をもらったことで採用されたと勘違いし、奈落の底に突き落とされた…という前科がある。
とにかく、連絡が来るのを待とう。
しばらくして、T橋さんから電話が来ました。今回の採用の連絡に関して「通知届きましたでしょうか?ご返答はいつ頃頂けそうでしょうか?」と。
なんて素晴らしい会社なんでしょう。「採用通知出したんだからウチに来るっしょ?」と決めつけていない。だからこそあの通知だったのですね。
ええ、ええ、御社に決めますとも。いつからでも出社できますよ?
かくして、めでたく会喜の一員となれたのでした。
あとがき
さて。自分では、魔のミッドライフクライシスを脱した気がしています。残りの人生は「とにかく自分の気持ちに正直に生きよう」と決めました。
「運命思考・個別化・親密性・内省・戦略性」 福利厚生で実施した、この納得感でいっぱいのストレングスファインダー®レポートを携えて。この先、どんな展開になっていくのか楽しみでなりません。
注)この物語は ノンフィクション です