会喜のカイゼン
どうも、陶芸…いや、リスクマネジメント委員のハシモトです。
6月のテーマは「TORIKUMI」ということで、会喜の制度、取り組みについて紹介していきます(6月1本目〜!)。
新入社員の方々も入社から2ヶ月が経ち、だんだん業務に慣れてきた頃だと思います。業務に慣れてくる一方で、ミスが増えてくる時期でもありますよね。
ミスが起きた場合は、次に同様のミスを起こさないためにも業務を見直して改善していくことが大切です。
といことで、今回のnoteでは「会喜グループ式 カイゼン」について紹介していきます!
カイゼンとは
「カイゼン」といったら、トヨタのカイゼンが有名ですよね!
事例の収集
会喜でも業務をよりよくしていくために、日々カイゼンを行っています。その中には業務の無駄を減らすようなカイゼンから、ミスに起因したカイゼンもあります。
その為にも、ハインリッヒの法則でも言われているように、なるべくたくさんの事例を把握して、的確にその対応策を考える必要があります。
会喜での言葉の定義
会喜ではミスが起きたらレポートをあげることになっています(アクシデントの場合は必須です)。
ミス発生からカイゼンまで、今回はリスクマネジメントの観点から会喜ではどのように行っているのかを見ていきましょう。
流れとしては以下の通りです。
ここで注目なのはレポートを提出して終わりではなく、カイゼンまでがセットになっていることです。
当時、入社したばかりの頃の私が驚いたのは、単に思いついたカイゼン策をあげるのではなく、きちんとミスの要因分析を行い、もっとも効果のあるカイゼンを考えるフローがあったことでした。
ミスの要因分析に用いるのが、自治医科大学 河野龍太郎 名誉教授が提唱した医療に特化したP-mSHELLというフレームワークです。
要因分析 P-mSHELL(ぴーえむしぇる)
ミスがおきたらP-mSHELLに当てはめて、なぜその事象が発生したのかの背景因子を分析します。
例えば、こんな事例
P-mSHELLで要因分析
要因分析をすると一つのミス(入力ミス)についても多数の背景因子が関わっていることがわかります。
P-mSHELLではL(本人)と mSHELが、かみ合っていないからミスが起きると考えます。L(本人)を大きくすることは限界があるので、mSHELをL(本人)に寄せるようにすることが重要です。
カイゼン 4-STEP/M (ふぉーすてっぷ/えむ)
要因分析を済ませたら、今後そのようなミスが起きないように対策(カイゼン)を考えます。
カイゼンについてもフレームワークが用意されています。
医療分野において、ヒューマンエラーによる影響を低減するための対策を考える時に用いられる手法です。
4STEP/Mを実行レベルまで分解すると以下のスライドのようなエラー対策に分けられます。
より上流の対策が効果があるといわれています。
例えば、処方箋を転記するという作業でミスが発生した場合は、対策としては「転記をやめる」といった対策が一番効果が大きいです。
一つの要因に対して、1→11までの対策を考えます。
各々の対策についてはここでは割愛しますが、なるべく効果の大きい1-3の対策ができないか検討します。
詳細はこちらで確認してください
考えやすくするために以下のようなシート(縦軸にP-mSHELL、横軸が4STEP/Mになっている)を使う場合もあります。
このようにして一つのミスについて、P-mSHELLを用いて要因分析をおこない、対策を4STEP/Mで考えます。
レポートの提出
要因分析、対策の検討が終わったらレポートの提出です。
会喜ではレポートの提出はすべてSlackのワークフローに入っているので、「申請-rm」のチャンネルから投稿し、全店舗で事例を共有しています。
実際にカイゼンを考えてみよう!
ここまで書いてみましたが、なんだかよくわからない方も多いと思います。
理解を深めるため身近な事例についてP-mSHELL → 4STEP/Mで考えてみましょう!
新婚薬剤師 I君のケース
この事例の最適なカイゼン案を考えましょう!
まずは、P-mSHELL
続いて4STEP/M
ハシモトからのカイゼン提案
STEP1 :やめる
「奥様にお弁当を作ってもらうのはやめる!」です。(毎日奥様にお弁当を作ってもらうなんて羨ましすぎるぞ、弁当なんて自分で作れ、自分で!)
これで今後二度とお弁当でのトラブルはなくなりますね。めでたし、めでたし…?
最後に
人間はだれでもミスを起こします。起こってしまったミスはしょうがないです。それを今後おこらないように対策することがとっても大切です。
ミスを起こした本人の責任にするのではなく、店舗全体、組織全体の問題とらえて仕組みで解決できるように考えるようにしましょう。
よいカイゼンは半期に一度「No.1カイゼン」で表彰されます!
次回は、2023上期の「No.1カイゼン」の発表です。お楽しみにー!
おまけ
個人的に大好きなカイゼン...
話をしていて、本題と違う話をした時に登場する「そうじゃないカード」