
薬歴評価をしたよ
どうも、みずき薬局の橋本です。
今回はちょっとお真面目モードです。
ちょうど先日、2022年度下期の薬歴評価が終わりました。今回は薬歴評価について書きたいと思います。
そもそも「薬歴」ってなに?
医師が診療情報をカルテに記載するように、薬局では「薬歴(薬剤服用歴 / やくれき)」を記載します。薬歴は患者の薬物情報を記録する文書で、医療での薬物管理や治療計画に使います。薬の種類、量、履歴を記録し、副作用や相互作用を監視する役割があり、法的文書としても使われます。
なんで薬歴を評価するの?
今回、以下の点を大切に薬歴評価を行いました。
薬歴の質を上げたい
算定要件漏れをなくしたい
きちんと記載しているひとには良い評価を与えたい
薬歴の質はその薬局の質といっても過言ではないと思います。きちんとした薬歴を記載する事は非常に重要です。
どうやって評価するの?
評価の方法は以下のとおりです。
薬歴評価担当者(2名)が双方ブラインド(お互いの評価が見えない形)で薬歴を評価
その相違点を第3者である私(はしもと)と一緒にディスカッションし、薬歴評価を確定
(システマティックレビューみたいでしょ!意味が分からない人は論文抄読会に参加せよ!!)

実際評価した感想
薬歴評価を行ってみての感想は…「みんな薬歴きちんと書けるようになってきている!!」。私は、これまで3回の薬歴評価を行ってきましたが、毎回薬歴の点数が上がってきています。それでもまだ惜しい点もありますので、ここで「よい薬歴」を書くポイントをこっそり教えます(内緒ですよ)。
よい薬歴とは?
そもそもよい薬歴とはなにか、みなさんイメージできますか?「服薬ケア研究所」の「岡村祐聡 先生」は、よい薬歴について以下のように定義しています。
- そのとき、どんなやりとりがあったかよくわかる
- 患者さんがどのような人なのか、人となりがよくわかる
- 必要な事項がもれなく、しかも簡潔にかかれている薬歴
- 誰にでも開示できる薬歴
よい薬歴を書くには、大前提として「きちんと患者さんと向き合い情報を引き出すこと」が重要です!
また、その際のポイントは「頭の中をPOSにする」ことです。
“POS(Problem Oriented System)とは、患者のもっている医療上の問題点に焦点をあわせ、その問題をもつ患者の最高のケア(Best Patient Care)を目指して努力する一連の作業システムである”
患者さんと話をして、そこから問題点を抽出。それに対してのアセスメントし、指導した内容を記載すると、驚くほど簡単に薬歴が書けるようになります。
よく遭遇する問題点は?
以下のようなことが挙げられます。
薬識不足(薬って良くなったらやめてもいんでしょ?)
副作用心配(この薬って体に悪いんでしょ?)
コンプライアンス不良(ちょっと薬切らしちゃって)
ちなみに。薬識不足を例にしてみると…
# 薬識不足?
S:この薬って良くなったらやめてもいいんでしょ?
O:前回より○○という血圧の薬が追加
A:薬識不足。薬識を高めるような指導が必要。
EP:薬を〇日やめると体から完全に薬が抜けてしまい、血圧が元の状態に戻ってしまいます。自己判断ではやめてダメですよ。
OP:次回薬をちゃんと飲んでいるか確認
普段良く遭遇するようなケースも問題点にそってSOAPにまとめると、簡単に薬歴がかけます。もっと知りたい方は、薬局においてある「誰も教えてくれなかった実践薬歴(山本雄一郎 著)」を読んでみてください。
最後に
薬歴はとても大切なものです。薬歴に記載していなければ、私達は仕事をしていないことになります。プロなので、仕事をしたことはきちんと記録するようにしましょう。
今回の薬歴評価は「SmartHRの評価シート」で確認できます。薬歴評価者からのアドバイスものっていますので、ぜひ一度、目を通しておいてくださいね。
