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論文抄読会に参加してみたよ

どうも、みずき薬局の橋本です。

今回はすこし薬局っぽいネタをとのことで、12月末に3年ぶりに開催された論文抄読会(ショウドクカイ)について書きたいと思います(陶芸だけじゃないんですよ)。


突然ですが、みなさん論文読んでいますか

めんどくさいから読んでない
何の論文を読んだらいいかわからない
そもそも英語読めない…

わかります、わかりますよ

論文を読めるようになるメリット

論文を読めるようになるといいことがいっぱいあります。

  1. メーカーの話を正しく理解できる

  2. 医療情報リテラシーが上がる

  3. 患者さんにきちんと情報を伝えられるようになる

  4. なんかかっこいい

論文も読み方があって、そのお作法がわかれば誰でも簡単に読めるようになります。英語も翻訳アプリを使えばあっという間に日本語にしてくれます( 「DeepL」すごいっす)。もはや英語が読めないから論文を読めないという時代ではなくなりました。

読むか、読まないかはアタナ次第です!
論文をひとりで黙々と読んでいるよりも、みんなで読んだほうが学びが多いです。そこで論文抄読会です。

「論文抄読会」とは

「ロンブンショウドクカイ」、英語だと「Journal Club」です。 一言で言うと「お題論文に対して、みんなであーだこーだ言い合う集まり」です。 「みんなで」というところがポイントで、一人で読んでいたのではわからなかった気づきを与えてくれます。

見てくださいこの楽しそうな雰囲気!今回は9名の参加@東山公民館

薬剤師も関わっている「EBM形式」の抄読会の団体としては、この辺が有名どころですね。

EBMとは?
EBMはEvidence-Based Medicineの頭文字を取ったもの,日本語に訳すと,”根拠に基づく医療”です.簡単に言うと,現在利用可能な最も信頼できる情報を踏まえて,目の前の患者さんにとっても最善の治療を行う,ということになります.つまり,EBMとは医療を円滑に行うための道具であり,行動指針であるわけです.

The SPELLホームページ(http://spell.umin.jp/index.htm)

論文抄読会の流れ

  1. EBMの説明

  2. 課題論文の紹介

  3. みんなで論文の批判的吟味

  4. 結果を踏まえてディスカッション

  5. 論文の解説

  6. 模擬服薬指導

今回は初めて参加するメンバーもいたので、EBMの概要の説明、論文の解説も行いました(スライドは夜なべ)。

EBMとは、患者さんをHappyにするためのツールとしてエビデンスを使おうという考えで、エビデンスのある薬しか使わない!という考えではないことに注意してください。

大切なことですね

今回の論文はこちら

「Triglyceride Lowering with Pemafibrate to Reduce Cardiovascular Risk」(ペマフィブラートによるトリグリセライドの低下による心血管リスクの軽減)

N Engl J Med. 2022 Nov 5. doi: 10.1056/NEJMoa2210645.

「パルモディア(Pemafibrate)のランダム化比較試験」の論文ですね。

P:2型糖尿病、軽度から中等度の高TG血症(TG:200〜499 mg/dl、HDL-Cが40 mg/dl以下)である患者 (10,497人)
I:ペマフィブラート 0.4mg/日
C:プラセボ
O:非致死的心筋梗塞,虚血性脳卒中,冠動脈再灌流,心血管系疾患による死亡の複合アウトカム

追跡期間中央値は3.4年

<結果>パルモディアで中性脂肪を下げても、心血管イベント発生率はプラセボと変わらない

服薬指導(模擬)

会喜の抄読会の面白いところは、最後に模擬服薬指導があるところです。単に論文を読むだけでなく、その知識をいかに患者さんに伝えるかを模擬服薬指導で実践します。

今回は新人の五十嵐君が模擬服薬指導を行いました(患者役は中島さん)。

年齢以外はほぼ私です

パルモディアが心血管アウトカムを改善しなかったという結果を知った後の難易度の高い服薬指導ですが、薬剤師1年目とは思えないしっかりとした服薬指導をしていました(やるね五十嵐君)。

  • 家族歴の確認

  • 高TGは心血管イベントのリスク↑

  • 生活習慣の見直し

など、きちんと説明できていて素晴らしかったです!
さらに生活習慣の改善で薬をやめることも出来る事を付け加えてもいいと思いました(このデータだと服薬コンプライアンスより生活習慣の改善に指導の重点をおいたほうがいいかも?)。

よくできたご褒美に大盛りチャーハン

まとめ

会喜の抄読会への参加は初めてでしたが、終始和気あいあいとした雰囲気でとても楽しかったです。日々の業務で皆さん忙しいと思いますが、時々は論文を読んで知識のアップデートを行いましょう!

また1月も開催したいと思っています。次回の担当は五十嵐君です。
ぜひみなさんの参加をお待ちしております!


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