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パパ・ママになった君たちへ

みなさん、こんにちは。
けやき薬局の馬場(き)です。

突然ですが、9月末時点での当社での育児休業の取得者は現在6名です。(2024年中の取得者は8名)会津若松の薬局運営人数は役員なども入れて60名弱なので、およそ1割ですね。

田舎の中小企業である当社が、なぜくるみんを取得したり、休みに寛容な環境整備をしているのか?についてまとめて、現状について振り返り、今後の展望を記載してみたいと思います。


育児休業をおすすめする背景


「育児休業」とは雇用保険に加入していると使える公的サービスの1つで、1歳未満の育児に携わるために休業した場合に、休業期間について育児休業給付金が支給され、社会保険料が免除になるという制度です。

支給率も180日までは67%、181日以上については50%と悪くなく、休業期間中の就業も月10日(もしくは月80時間以内)まで認められています。当社でも男性の場合は働きながら取得する例が多いようです。

育児休業が優遇される理由=少子化

日本の社会構造の問題として少子化ということがあり、少子化対策の一貫として育児休業が優遇されている側面が強いようです。また、人口動態の変化に伴い就労人口が減少していますので、共働きの多い現役世代に対して、女性の就労継続支援を行いたいとう国の政策も見えますね。

今年のはじめにも福島県の人口が3割減るというニュースがあった背景などをまとめましたが、先日の人口戦略会議のレポートでも、会津若松市は消滅可能性自治体に含まれているようです。

消滅可能性自治体
「20~39歳の女性人口」(以下、若年女性人口)が2020年から2050年までの30年間で50%以上減少する自治体

まぁその通りなんだろうけどさ

会津若松市は、2050年人口(移動想定)で-53.0%ですね。20~39歳の女性が5057人しかいなくなるらしいです。

5,057人 / 82,061人(日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)= 6.16%!

自治体が消滅するともれなく当社も消滅する

私たちは会津若松市で薬局を運営する企業ですので、地元が右肩下がり=自社のおかれる環境も右肩下がりになる可能性が高いです。

会津若松市・第2期市⼈⼝ビジョンの概要より

人口  → 薬局利用者数  → 薬局売上 ⬇ 

負けないもん!

となるのは必然なので、そこに対して「どのように逆らって事業継続をしていくか?」が今後の四半世紀(私が現役の間)の課題だと思っています。

自社にできる環境整備

そういった環境の中で自社でできることを考えると、(店舗展開などを除くと)以下のあたりが考えやすい所です。

  • 田舎で働くことの意義の発信

  • (子供を持ちたいと思った場合に)子育てしやすい環境の整備

  • (働きたい人が)復帰して長く働ける環境の整備

  • 若い人への採用競争力の維持としての休み・福利厚生の整備

ちなみに総務省の行っている 労働力調査 を見ると、日本全体の傾向として女性の正規雇用率は男性と比べると低く、男性では低下しない25~44歳の層で正規雇用率が低下しているため、結婚・出産・育児といったライフイベントに伴う離職やその後の復職の難しさが見て取れるかと思います。

データからグラフを作成しました!

なので、「育児休業を男女共にとっていただいて、職場にぜひ復帰して(バリバリ働いて)下さい!」と思い色々やっている次第です。 当社でも数年勤務歴のあるママさん達は、みんな優秀ですし人柄も分かっていて安心なので、ぜひ戻ってきてほしいと常に祈っています!

当社の現状


で、「おまえそんな事言ってるけど実際のところどうなの?」と言われると思うので、自社の現状についてまとめたいと思います。

育児休業取得状況

この記事の投稿日の2024/10/23時点だと、会津地域の2社で合計5名(女性4名、男性1名)が取得中です。

2024年8月~
  男性 2名/2名(3回中、産後パパ育休2回)
  女性 5名/5名(希望1年・就労なし、1名9月復帰)
2023年8月~2024年7月
  男性 2名/2名(2回・平均24日、就労あり)
  女性 2名/2名(希望1年・就労なし)
2022年8月~2023年7月
  男性 2名/3名(3回・平均29日、就労あり)
  女性 1名/1名(希望1年・就労なし)

中小企業の割にはがんばっている方かな?

子の看護休暇・私傷病休暇

子の看護休暇は、育児・介護休業法の第十六条の二 で定められている休暇(小学生未満1名で年5日、2名以上で年10日)で、法律上の定めは特にないので基本的に無給です。ただ当社では無給だと利用率がほぼ0だった現状を鑑みて、3日まで有給で取得できるようにしています。

子育て世代との不平等感を緩和するために、「私傷病休暇ししょうびょうきゅうか」という具合悪くて休んだ際に誰でも使える休暇も別途整備し、子の看護休暇と私傷病休暇を通算して3日まで有給で利用できます。

2024年8月~
  取得15日/付与159日
2023年8月~2024年7月
  取得29日/付与165日(消化率17.6%)
2022年8月~2023年7月
  取得17日/付与162日(消化率10.5%)

意外とみんな健康ですね!

短時間勤務

育児、介護を理由として、週40時間の所定労働時間の労働時間を週30時間まで段階的に短縮できる制度があります。育児の場合は、ママさんの意見を取り入れて通常より長めの「小学校3年生終了時まで」利用可能です。

現在は、週30時間3名、時間帯制限1名の合計4名が利用中です。今後は、不妊治療などでも使えるようにを検討していきたいと考えています(以下の一般事業主行動計画を参照してください)。

有給休暇

みなさん大好き、有給休暇の使用状況もシェアしておきます。ふりかえると当社も6-7年前は有給休暇を使わない(使えない?)企業でしたね。

2023年8月~2024年7月 平均取得日数:12.7 日(取得率:74.8%)
2022年8月~2023年7月 平均取得日数:13.6 日(取得率:77.9%)
2021年8月~2022年7月 平均取得日数:8.43 日(取得率:50.4%)
2020年8月~2021年7月 平均取得日数:8.59 日(取得率:51.6%)
2019年8月~2020年7月 平均取得日数:7.82 日
2018年8月~2019年7月 平均取得日数:7.16 日
2018年8月~2019年7月 平均取得日数:2.20 日

相談役がまだ現役社長の頃からの涙ぐましい施策

計画的有給休暇取得制度(通称:ファンバケ)を始めたり、有給の子の看護休暇・私傷病休暇を始めたりで、最近は使える環境整備が出来てきたのかな?と思います(そろそろ誰か、1ヶ月連続で取得してみてよ)。

人員の状況

以下は、SmartHRの分析レポートで作成した2017年8月~の人員数の変遷です。継続して採用はしているので、徐々に人数が増えています。

薬剤師1.3倍、事務1.55倍!(決算も一応黒字!笑)

育児休業も、病欠への寛容さも、有給休暇取得促進も、店舗の人員数が足りている状況を維持していればこそですね。人員が不足しないように手配するのは、管理・経営側の仕事だと思いますので、採用担当の高橋さんと継続して頑張っていきたいと思います。

"オープン"社内報なので、社外の方で当社にご興味を持たれた方はぜひ↑からお問合せを~(一応ね)

子育て世代以外に向けて


子育て世代が優遇され過ぎじゃないか?という話もあるかと思いますけど、若手は自分がこれから歩む可能性のある道ですし、ベテランのみなさまは自分が通ってきた道と思って、サポートいただけますと幸いです。

また、今後増えていくと思われる「介護休業」についても、取得実績が2名(3回)ありますので、スムーズな対応が可能だと考えています。お互い様の精神で、みんなで協力しあって行きましょう。雇用条件面での困ったときの相談は、いつでも私が聞きますのでぜひお気軽に~

まとめ:育児休業のすすめ


そんなこんなで色々と書きましたけど、最後に主観的なおススメをしてまとめたいと思います。

私は、2人子供がいる(2015年生と2017年生)のですけど、うちの奥さんから言われたとても記憶に残っている言葉があります。

「産んだのは私だけど、あなたの子でもあるんだぞ!母乳を出す以外は、私じゃなくてもあなたにだってできるはずだ!!」

ごもっともなんですよね。

2015年の当初は薬剤師17-8名で、有給休暇年1-2日消化の時代ですので、育児休業なんて取れるはずもなく(そもそも知識もなかったし)、「育児は奥さんがするものでしょ?」くらいのダメ父親でございました…。

奥さんから言われた一言に「たしかに!!」と衝撃を受けまして、それから沐浴を覚え、ミルクの飲ませ方に、おむつの交換、寝かしつけ、夜泣きの対応、その後の離乳食の調理と(奥さんからの指導の下)トレーニングを積み、ひと通り出来るようになりました。そして接する時間が増えれば、やっぱり子供はかわいいです(親ばか)。

「どちらかが倒れても大丈夫なように」という方針で調教済みの図
(2017年第2子誕生&引っ越しでカオスな我が家で奥さんはお片付け中)

なので、男性スタッフ諸君は子供が生まれた場合はぜひ育児休業を取得し、これから10年以上続く子育てという戦場を奥様と一緒に駆け抜けるトレーニングを積んでください。また女性スタッフ皆様は、自覚のない新米パパを(温かくみまもりつつ)積極的に調教してください。

育児休業=トレーニング期間だと思えば、やはり積極的に取得することは共働きが前提のご時世なので、大切なんでしょうね。当社ではこれからも積極的に取得を推奨していきたいと思います。

今後の記事の予告

ちなみに育児休業ネタということで、この後に2本記事を予定している(書いてとお願いした)ので、お楽しみに!

  • 丸1年の産・育休明けの林さんによる、育休明けの困惑

  • 新米パパのタカハシリョータさんによる、育児奮闘記

特に林さんには、来年育休復帰ママたちが4人控えている社内事情を考慮し、忙しいと思うのですけどお願いしました(ご快諾に感謝)。

おまけ


労働力調査 から作ったけど使わなかったグラフです。

子育ての終わった55歳以降が近年正規雇用に戻っている?
男性でも同じ傾向。定年が60→65歳になっている流れもあるのかな?

おわり。

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