【薬剤師✕高校野球】高校野球通薬剤師が選ぶ思い出の3試合
こんにちは、みずき薬局の西脇です。
5月のテーマは「変態的なこだわり」とのことで、特に変態的なこだわりもなく、何を書こうか悩みましたが、子どものころから好きな「高校野球」について書くことにします。
私は小学3年のとき、ある試合をみてから高校野球にハマり、それ以来現在にいたるまで毎年高校野球をたのしんでいます。
今回はそんな私の高校野球「思い出の3試合」を紹介したいと思います!
1. 私を高校野球の世界に導いた一戦
【1976年】選抜2回戦 崇徳(広島) vs 鉾田一(茨城)
小学校3年生になる私が、高校野球に夢中になるきっかけになった試合です。
スター集団 崇徳高校
この年の崇徳高校は全国区のスター集団でした。超高校級と称されたエース黒田真二(元ヤクルト)を筆頭に、強打者の山崎隆造(広島の主力選手として活躍)や小川達明(元広島)、捕手の応武篤良をようし、初出場ながら優勝候補の筆頭と呼ばれていました。
快進撃の鉾田一
鉾田一は1回戦で新潟の糸魚川商工戦にてノーヒットノーランを達成し、自らのタイムリーで決勝の1点を挙げ、1対0で勝利しました。当時、鉾田一は戸田投手のワンマンチームと呼ばれており、私はこの試合でノーヒットノーランという言葉を覚えました。
試合開始
試合は予想通りの投手戦となり、崇徳の黒田投手が好調で、鉾田一打線を7回までノーヒットに抑えました。しかし、8回裏に鉾田一の投手で4番の戸田がホームランを放ち、貴重な1点を入れます。
奇跡の逆転
9回表、崇徳の攻撃が始まります。2者続けて三振に打ち取られ、あと一人で試合終了という場面。しかし、最後の打者の打球をファーストがエラーしてしまいます。続く打者もショートゴロでエラーとなり、戸田投手のリズムが狂います。その後、内野安打と長打が続き、崇徳に4点が入り、奇跡の逆転勝利となりました。
その後、崇徳高校は前評判どおりの実力で初出場初優勝を成し遂げました。 この試合をきっかけに、私は高校野球にのめり込むようになったのでした。
2. 夢の対決 星飛雄馬 vs 里中智
【1978年】甲子園夏1回戦 箕島(和歌山) vs 能代(秋田)
私は小学5年生となり、朝の第一試合からナイターになる第4試合まで毎日見て高校野球にどっぷりはまっていました。そのときの個性的な試合です。
能代高校の星飛雄馬
能代高校の高松投手のダイナミックなフォームを見てください。巨人の星の星飛雄馬のフォームとそっくりではないでしょうか。高松投手は、ダイナミックで変則的なフォームと140キロを超える速球で2年連続夏の甲子園に登場しました。
箕島高校の里中智
対する箕島高校は、PL学園や桐生高校に並ぶ優勝候補の一角で、強力打線と「ドカベン」キャラクターの小さな巨人、里中智のような本格アンダーハンドの石井毅投手(元西武)を擁していました。こうして、星飛雄馬vs里中智のような個性的な一戦が始まりました。
試合の展開
試合が動いたのは初回の立ち上がり。高松投手の4球目を箕島のトップバッター嶋田(元阪神)がセンター後方へ打ち、センターは目測を誤り三塁打にしてしまいます。次打者は警戒して四球、三番の強打者として名高い石井雅がノーマークのスクイズを決め、先制します。
3回、箕島の石井毅投手は制球に苦しみ、二者連続四球を与えノーアウト一、二塁のピンチになりますが、キャッチャー嶋田のセカンド牽制でアウトになります。
試合終盤
6回、能代の三番近藤が左中間に快打したものの、三塁を欲張りタッチアウト。その後、石井毅のキレのあるストレートと変化球、そして嶋田の巧みなリードにより、能代は5四球を得ながらもわずか2安打に終わりました。箕島が1対0で勝利し、1時間37分の好ゲームは幕を閉じました。
高松投手は徐々に調子を上げ、4回以降はパーフェクト。結果として三振8個を奪っただけに、初回の攻撃が悔やまれます。
箕島は次の3回戦で中京高校に敗れますが、翌年には石井毅―嶋田のバッテリーで粘り強い試合運びを見せ、浪商や星稜と高校野球史上に残る名勝負を演じ、春夏連覇を達成しました。
3. 福島高校野球頂上決戦
【2014年】夏の福島県大会決勝 聖光学院vs日大東北
思い出に残る試合の最後は2014年夏の県大会決勝です。
決勝戦は試合開催が日曜日ということもあり、2013年と2014年と2年連続で歴史的な決戦を観戦することができたので、特に思い出に残っています。
まずは2014年の夏の大会まで両校の対戦成績をみてください。
特に2013年夏の決勝は延長10回のサヨナラで聖光学院が勝っています。そのため2014年夏の決勝は昨年と同カードということもあり、日大東北は去年の雪辱を果たすため、並々ならぬ思いがあったと想像されます。
聖光学院の戦力
聖光学院は、船迫投手(現巨人)、八百板選手(元楽天、現巨人)、2年生の控えに佐藤都志也選手(現千葉ロッテ)らを擁し、8年連続甲子園を目指していました。※なんとくすのき薬局スタッフ二宮さんのお兄さんはこの時の野球部に所属していたそうです!
日大東北の戦力
対する日大東北は、Max148キロのストレートで東日本を代表する大和田投手を擁していました。
聖光学院9回2死の絶対絶命
試合は、大和田投手のホームランなどで9回まで日大東北が6-2とリード。
9回裏、聖光学院は2死の絶対絶命。聖光学院の県大会8連覇は絶望的と思われました。
2死一、三塁でバッターは3番柳沼健太郎。外角高めの初球を左翼線に跳ね返し二塁打で2点を加えます。その後、4番安田光希、5番伊三木駿が三塁打を連ねて、なんと同点に追い付きます。
そして延長戦へ
勢いにのった聖光学院は延長11回には無死一、二塁から再び柳沼が左翼線に二塁打を放ち、2年連続のサヨナラ勝ちで甲子園出場を決めました。
試合の印象
2013年の山中投手、2014年の大和田投手のうなだれた姿は印象に残り、勝負のきびしさを思い知らされました。
その後、甲子園では聖光学院は強豪校相手に接戦をものにしていき、ベスト8まで勝ち上がりました。
いかがでしたでしょうか?
ちょっと昔のマニアックな試合もあって、ついてこれなかった方もいるかもしれません。すみません。※本当は他にも紹介したい試合が山ほどあります。
高校野球の魅力
私が高校野球が好きな理由は、技術的には未熟な(昭和時代は特に)高校球児たちが、一生懸命、野球に打ち込んでいる姿を見ることです。ときに大どんでん返しもあり、大差で勝敗が決まることもあります。そんななかでも球児は決して諦めることなく、最後の3アウトまで全力でプレイをしています。その姿をみると心が震えて、ときに感動で目頭が熱くなることもあります。
今回記事を書くにあたって改めて過去に見た試合を調べたりし、「こんなことがあった、あんなことがあった」とふり返り、当時を思い出すことができてたのしむことができました。暑い夏、クーラーのかかっていない居間で、父が作ってくれたかき氷を食べながら、テレビにかじりついていた日々を思い出しました。
その日々が、私の高校野球への情熱の原点です。あたらしい試合が始まるたびに、あの頃のワクワク感がよみがえり、またあたらしい感動を味わうことができます。時代が変わっても、球児たちのひたむきな姿勢は変わりません。これからも、高校野球が生み出すドラマをたのしみにしつつ、あたらしい名勝負を見守り続けたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回は「思い出に残る昭和の地方大会」をお送りしたいと思います。どうぞおたのしみに。それではまた。
〜おまけ(ニシワキ夏の福島県大会予想)〜
高校野球通の私が独断と偏見で夏の県大会の予想をします。
◎ 聖光学院
本命は「聖光学院」と予想します。選抜に出れなかったため、冬の間練習を積むことができたこと、この数年間県内の学校相手には負けていません。選抜出場した学法石川にも昨年夏はタイブレークの末11対10、昨年秋の県大会も7対3で勝利しています。県内のチームが聖光学院を超えることはむずかしいでしょう。
◯ 学法石川
対抗の「学法石川」ですが、昨年秋の県大会以降投手力が向上し、選抜出場につなげることができました。昨年から聖光学院との力の差もつまりロースコアーにもつれ込めば久しぶりの夏の甲子園出場もあると思います。
▲ 日大東北
大夢くん(ひのき薬局スタッフ)の母校、日大東北も過去の歴史から上記の2校に勝とうと思う執念は並々ならぬものがあります。まだ本来の力は出し切れていませんが、夏にはチーム力を上げてくるはずなので、ダークホースとして注目しています。
もっとディープな野球談義がしたい方は、不定期に開催されている西脇会に是非参加してね。