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薬局で事業継続計画(BCP)を考える

みなさん、こんにちは。
けやき薬局の馬場(き)です。

当社でも、調剤報酬や介護報酬の加算要件にも関連する事業継続計画(BCP)を作成しました。連携強化加算のためにまずは作成しましたが、皆さんにも修正のご協力をお願いしたく、たたき台として必要な知識をまとめてみました。ぜひご一読ください(こちらの媒体は一応、「社内報」です。念のため。)


BCPってなんだ?


まずは、言葉の定義を理解しましょう。

事業継続計画Business Continuity Plan)
企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に直面した際に、事業資産の損害を最小限に抑えつつ、中核となる事業を継続または早期復旧できるように、平常時に行うべき活動や緊急時の対応方法、手段などを取り決めておく計画のことです。(中小企業庁-中小企業BCP策定運用指針)

中小企業庁-中小企業BCP策定運用指針

学校で避難訓練を行ったように、企業でも緊急時にどのように対応して、どうやって事業継続をするのか?の計画を立てて、訓練をしておいてくださいねという要求のようです。

なんのためにBCPが必要なの?

BCPを策定する目的は、緊急事態に迅速に事業を復旧し、社会的な影響や事業継続への影響を最小限に抑えることです。

参考までに当社で作成した視線災害BCPの優先業務一覧

具体的には、薬局を運営する上での業務の優先度と緊急事態下での実施の可否を洗い出し、優先業務ごとに対策・代替案を検討していきます。

調剤報酬等との関係は?

連携強化加算(調剤報酬)
要件に以下のような項目があり、BCP(もしくは手順書)を作成することが求められています。(令和7年1月1日以降に算定する場合は再届出が必要)

様式 87 の3の4  連携強化加算(調剤基本料)の施設基準に係る届出書添付書類

業務継続計画未策定事業所に対する減算(介護報酬)
令和6年の介護報酬改定で、業務継続計画(=BCP)未策定の介護事業所に対して1/100を減算するという方針が明示されました。

居宅療養指導は令和9年3月31日まで経過措置

作成の過程を振り返ってみる


前置きはこのくらいにしておきまして、実際にどのように作成したか?を振り返って、皆さんが突っ込みが出来るようにしたいと思います。

① 参考にした資料

薬局でどんなBCPを作ればよいか?については、オンラインで閲覧できる以下の3つに目を通しておけば大丈夫じゃないかなと思います。特に東京都福祉保健局作成の2については、薬局向けに書かれているのでとても分かりやすいです。

  1. 中小企業庁 中小企業BCP策定運用指針  

  2. 東京都福祉保健局 災害時の 薬局業務運営の手引き~薬局BCP・地域連携の指針~

  3. 厚生労働省 介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修

② 想定する災害について知る

BCPは災害や緊急事態を想定して、被害を受けた状態でどのように業務を継続するか?というものですので、どういった災害・緊急事態が起こるか?について把握する必要があります。

感染症
新型コロナウイルス感染症など、想定される感染症をイメージしてください。最近までずっとそんな状態だったのでイメージしやすいですよね。

自然災害
こちらは、薬局のある地域によって起こりやすい災害が異なりますので、自治体の防災計画を見に行くことが必要です。山よりなら大雪や地震、土砂災害、海辺なら津波などが想定されると思います。

当社で作成した際に参考にしたものは以下です。

③ 想定被害を予想する

想定災害が決まったら、次はその災害で薬局がどういった被害を受けるか?を考えてみます。

感染症
人員が切迫することによる機能制限や運営縮小が主な論点になると思い、当社では以下のように設定しました。

どういった区切りにするかは、企業次第ですかねー

自然災害
電気、ガス、水道などの被害状況や復旧状況によって薬局の機能制限が異なりますよね。一応、地震の場合は以下のように想定してみました。

震度6-7の地震があった場合に「どの程度障害が出るか」を考えていますか?

④ 優先業務ごとに対策を検討する

薬局の営業を継続するために重要な業務(優先業務)ごとに対策を検討します。どのように事業を継続するかで一番大切なところですね。(参考資料2の東京都福祉保健局の形式を丸パクリしました。笑)

感染症
運営人数の減少が主ですので、作業をどう絞って営業を継続するか?の検討をしました。

自然災害
停電や断水などで機械などが使えなくなることを前提に検討しました。細かく状況を分けている例も見受けられたのですが、このくらいで良いんじゃない?とコンパクトにしてみました。

他にもスタッフの参集の可否なども検討しましたよ

⑤ その他必要事項をまとめる

労務上の問題だったり、初動をどうするか、連絡をどうするかなど、こまごまとしたことを決めます。

完成!

そんなこんなで体裁を整えれば完成です。
どういったことを検討しなくてはいけなくて、何をチェックすれば良いかをご理解頂けたでしょうか?

KiteRaで閲覧することができるので、こう直したほうが良いなどありましたらお気軽に教えてください。

↑もしご興味のある社外の方がいましたら、感染症BCPのみ共有します。ご参考まで。(災害の方は、地域によって対策を取るべき災害が異なるので共有してもしょうがない)

研修も必要です


要件的にもですし、策定した計画が絵にかいた餅にならないように、定期的に避難訓練のように研修を行うことが必要です。

先日、全体勉強会で橋本さんと関さんが講師になって「感染症対策研修」を行ってくれました。(内容憶えていますよね??)

橋本さんによる熱い講義

防護服の着方や吐しゃ物の処理の実演もありました。小児科で鍛えられている関さんの手際の良さはさすがでしたね!

吐しゃ物は、ゼリー状の芳香剤で代用しました

研修を行ったからといって全てが完璧になるわけではありません。店舗で人員が減った際の対応なども検討してくださいね。

以上、薬局でBCPを考える際のおさらいでした。違和感のある個所があれば修正しますので、お気軽にお知らせください。よろしくお願いいたします!

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