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認知症世界の歩き方ワークショップを開催したよ

どうも、みずき薬局の橋本です。

毎日、暑いですね。暑いですが、私は10月の鶴マラに向けてセッセと走っています(こんなにハマるとは思わなかった)。 走って、サウナ入って、ビールのんでと、相変わらずマッチポンプのような生活を続けています。

最近、真面目なネタを書いていなかったので、今回は先日、地域の研修会で開催した「認知症世界の歩き方ワークショップ」についてご報告します。


認知症世界の歩き方ワークショップ

今回ワークショップを開催したのは多職種連携ネットワーク会議というもので、年に4回程度多職種の顔合わせ、情報共有を目的に、包括支援センターが中心となって開催されています。

研修会の講師は中島さんが務めてくれました。私はお手伝いでの参加です。※中島さんは現在育休中のため、私が代わりに会の様子をお伝えします。

講師はわれらが中島さん!薬剤師 × インハウスデザイナー
中島さんは公認ファシリテーターの資格を持っています

今回のワークショップには40名を超える参加者が集まり、認知症世界の歩き方への関心の高さが伺えました。予定よりも参加者が多かったため、急遽、五十嵐くんにもサポートをお願いしました。

参加者の内訳は…包括スタッフ、介護事業所の職員、市の職員、医療職など幅広い職種の方が参加してくださいました!

大盛況!

認知症世界の歩き方って何?

この本が始まり

NHKでも番組化されていたのでご存知の方も多いと思います。
認知症の方約100人にインタビューし、認知症のある方がどのような世界を見ているのかをスケッチと旅行記の形式で紹介している本です。

このようなイントロから始まります。

ここは認知症世界。
あなたは、この世界の玄関口・ディメンシア港にたどり着いた旅人。これから認知症世界の旅が始まります。
認知症とともに生きる世界では、不思議な体験をする乗り物や店、出会ったことがない民族、想像を絶する風景が次々と目の前に現れ、誰もがいろいろなハプニングを体験するのです。

なんか楽しそうでしょ!  認知症世界の歩き方HPより

詳しくはwebページをご覧ください。
動画コンテンツも豊富でおすすめです。

この本では認知症の方が見ている世界を体験する事ができ、当事者視点で考える事で、認知症の方が思わぬ所に問題や生きづらさがあることがわかります。

今回のワークショップは「認知症世界の歩き方」の続編である「認知症世界の歩き方 実践編」が元になっています。実践編では、現場でよく遭遇する14のトラブルについて、考え方や対応方法がまとめられています。

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ワークショップの流れ

① 症例の提示

例:トイレの場所が分からなくなってしまった認知症の方

② 推理カードを使って原因を考察

このワークショップの肝はこの推理カードにあると思います。多角的な視点を持ち、認知症の方の行動の原因をシャーロック・ホームズのように推理します。

推理カード

③ アクションカードを用いた対策の検討

 アクションカード

ある程度推理が進んだら、アクションカードを用いて今後の対策を考えます。この「認知症世界の歩き方」では、対話とデザインをテーマに、認知症の方にも分かりやすい表示やデザインを考えるカードが含まれています。

グループワークの様子

5-6人でグループワーク
熱い議論をしているグループも
五十嵐くんもサポートしてくれました

認知症ケアで大切なこと

すべての行動の背景には、何かしらの理由がある

認知症の方の不可解な行動の背景には、かならず何かしらの理由があるということです。「なにやっているかわからない」と安易に否定せずに、相手によりそって、背景にある原因を考えることが重要です(対話が大事)。

例題のトイレがわからないというケースでは、トイレもできなくなったから、安易におむつをつけさせるといった対応をするのではなく、もしかしたらトイレが見つけられなくなっている可能性もあるので、トイレまでの道筋をわかるようにしたり、表示をわかりやすくしたりといった対応が有効な場合もあります(デザイン視点)。

本の中では以下のような説明がありました。

傾聴・観察・知識 ⇄ 推理

私も「認知症世界の歩き方」の考え方を学んで、患者さんの行動の背景を推理するようになりました。

在宅では不可解な行動を目にすることがとても多いです。なんでこんなところに◯◯が?なんて日常茶飯事です。なにかしらの意図があって、やっている行動なので、それについて本人とお話するとその原因がわかったりすることがあります。

ワークショップに興味がある方はオンラインのワークショップも定期的に開催しているので、ぜひ参加してみてください(私も2回参加しました、しかも1,000円からでとても参加しやすい)。

開催してみての感想

参加した方からはこのような感想をいただきました。

「いままでにない発想が学べて勉強になった」
「認知症の見方が変わった」
「うちの施設でもやってもらいたい」

好評で安心しました

もともとこのワークショップは社内の勉強会で一度行っていて、とても好評でした。そのため、知り合いの包括のスタッフさんに勧めたところ、ぜひやってほしいとのことで、今回のワークショップが実現しました。

薬局でできることには限界があります。認知症のある方が暮らしやすい社会を作るためには、地域の多職種の方々とつながり、仲間に入れてもらい、協力を増やしていくことが非常に重要だと思います。

良い取り組みは社内だけでなく、地域の方々へ共有できるように今後も取り組んでいきたいですね。

出張ワークショップも開催できます

「認知症世界の歩き方」ワークショップに興味のある事業所さん、ぜひご連絡ください。少人数からでも開催できますよ。

って、あたかも自分がやったように書いていましたが、すべての準備と運営をしてくれた中島さんに感謝します。お疲れ様でした!

みなさんお疲れ様でしたー



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