薬局で「くるみん」認定を取得するまでの話
みなさん、こんにちは。
けやき薬局の馬場です。
突然ですけど、「くるみん」認定って知ってますか?
今回、株式会社薬樹で認定取得にチャレンジしてみた経過を、せっかくなのでまとめてみます(会喜でも同じことをしていましたけど、男性育児休業取得者がいなかったのでとれなかった)。
くるみん認定とは?
子育てサポート企業の認定で、認定ハードルで3つ種類があります。
トライくるみん
くるみん
プラチナくるみん
なにかメリットはあるの?
以下のようなメリットがあるようです。
「子育てサポート企業」をアピールできる
くるみん助成金を使える
公共調達で加点評価が得られる
何のことやら?ですけど、これからの人口減少側面では働きやすさアピールができることは強いのではないか?今まで行ってきた働き方改革と方向性が同じなので手間なく取れるかも?という点で取得を考えてみました。
くるみんの認定基準は?
認定基準は公表されており、くるみん認定で10個の認定基準があります。労働局で貰えるパンフレット がとても分かりやすいです(詳細はご自分で確認してください)。
認定基準1~4 一般事業主行動計画
計画を立てて公表して、その目標を達成する必要があります。
① 適切な一般事業主行動計画を立てる
② 計画期間を2~5年にする
③ 行動計画の目標を達成する
④ 行動計画を公表して、スタッフへ周知を適切にしている
認定基準5~6 育児休業
育児休業をスタッフが取得していますよーという実績が必要です。
⑤ 男性の育休取得の基準を超える
⑥ 女性の育休取得の基準を超える
認定基準7~10 その他
育児介護休業法23条で3歳未満の短時間労働制度は義務なので、それ以上に取り組みしていますよの証明ですね。
⑦ 3歳以降の始業時間変更等の取組がある
残業時間が長くないですか?という証明が必要だそうです。
⑧ 時間外労働が基準以下
残業削減、育休取得、働き方見直しなので取り組みをしているか?という点が✅されます。
⑨ 目標に対して取り組みがあればOK
⑩ 法令違反がないこと
行動計画終了までをふりかえる
せっかくなので申請するまでに何をしたか?を振り返ってみます。
課題把握
働き方改革はすでに取り組んでいたので、普段の会議内で十分取り組みを考えるだけの情報がそろっていました。
2021年3月 一般事業主行動計画を作成する
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画なるものを立てます。記載例もありましたのでそんなに難しくはないかも?くるみん取得を考えて、認定基準9に当てはまるものを突っ込んで作成してみました。
2021年4月 行動計画を公表・周知する
他社の計画を見たり、世間に公表するのは、以下の両立支援の広場からできるので、確認必須です!
公表するとこんな感じで掲載されます。
2021年4月 一般事業主行動計画策定届の提出
書式に記入して、福島県労働局雇用環境均等室に書類を提出します。書き方が分からない場合は、電話すると教えてもらえました。
紙で提出しましたが、電子証明書を取得していればe-govから、電子申請ができます。
2021年4月~2023年2月 計画通りに取り組む
計画の目標ごと、項目ごとに取り組みをしていきます。アンケートをしたり、制度を作ったり、周知をしたり。普段みなさんが会議などでやっていることですね。
2023年3月 計画の変更申請
規程の変更が間に合わない疑惑&くるみんの申請が事業年度末じゃないとできないということが発覚し、計画の期間のみ変更して再度公表、周知、申請をしました。
2023年7月 修正した規程の労働基準監督署への提出
規程修正が間に合わない!?ということで、「KiteRa」というSaaSサービスを導入して白井さんとがんばりました。
KiteRaは、規程エディタで効率的に規程を作成・修正することができます。社員への周知もできるし、電子申請にも対応していて超便利です。
顧問の社会保険労務士さんにも確認してもらい、労働基準監督署へ就業規則変更届を提出し、無事OKでひと安心。目標達成ですね。
2023年8月 新しい行動計画の作成・公表・周知
こちらは期間が終わると新しいものを立てるそうなので、新しいものを作成、公表、周知しました(下は、会津若松の運営法人の(株)薬樹のやつ)
くるみん申請をしてみた
一般事業主行動計画をクリアしたら自動的にくるみん認定が貰える訳ではなく、「ちゃんと基準を超えていますよ」という申請を自分たちでやる必要があります(思っていたよりも書類準備が大変でした…)。
2023年8月 データ集計
SmartHRの分析レポート機能 を使って、有給休暇取得日数などは計算しました。表を作成して計算しなくて良いのはラクチンです。
2023年9月 とりあえず✅を依頼
書類が多くて大変なので、福島県労働局雇用環境均等室で申請前に事前チェックをしてもらえるそうです。書類が多かったり、記録を探したり(諸々の結果について添付が必要なんて知らなかった)で、なかなか大変でした…
行動計画は公表した当初の両立支援の広場のスクリーンショットを保存していなくて(知らなかったんだもん)、疎明書を付けて公表の事実を証明するというドタバタがもありました。。
2023年10月 修正依頼を受ける
就業規則や規程で修正が必要なことを福島労働局の雇用均等室の担当者の方から指摘されたので、また就業規則と規程を修正しました。
ここで活躍したのが、ふたたび KiteRa 。
指摘点をメモして、ガーっと規程を直して、ふと気づいた時に「あれ?どこ直したっけ??」となりがちなので、すごく楽ちんでした。各店舗の従業員代表に意見を聞く際も「新旧対照表があると分かりやすくてよい」と好評でした。
就業規則を労働基準監督署にオンライン提出して、再度確認をお願いしました。
2023年11月 くるみん申請
福島労働局の雇用均等室の担当者の方から、「書類OKで審査に回せそうなので、申請書類を提出してください」とご連絡を頂き、申請書を提出。
書類の不備なしでも、審査上どうなのかは良く分からないので、ドキドキでしたね。
くるみん取得!
2023年12月
福島労働局の雇用均等室の方から、「くるみん認定されました」とご連絡がありました!!👏
1/15に認定証交付式がある
通常報道発表もするがして良いか?
事前に記入して欲しいものがあるのでお送りする
事業主のコメント
男性育児休業取得者からのコメント
という内容のご連絡をいただきました。
男性育児休業取得者からのコメントは、取得した方に依頼して、とりあえず準備は完了!
2024年1月
2024年1月15日に高橋亮太さんと2人で福島労働局に行ってきました!
5分間もスピーチ。ちゃんと話せたのかな…
プレスリリースはこちら↓
実際に行った行動計画とその内容は、プレスリリースをご確認ください。 ちなみに、くるみん認定などの企業は労働局のページで公表されているんですよ。
まとめ〜感謝〜
以上、くるみん認定までの軌跡でした!
手続き関連は私がしましたけど、実際の施策が上手く運用できたのは薬局で働くすべてのスタッフの協力があってこそだと思っています。この場を借りてお礼申し上げます。
育児休業を取得したスタッフへ
男性育児休業は、グループでも初めての事例だったので色々と踏ん切りも必要だったように思いますが、取得してくれてありがとうございました(お陰様で企業としての実績にもなりました)。これからも育児参加して、がんばってください!
すべてのスタッフへ
コロナに罹患したり、子供が病気になった時など、「お互い様」「しょうがない」の気持ちで各スタッフのお休みを許容してくれて、出勤できるスタッフでがんばるという空気感を持ってくれる皆さまに感謝致します。
また、育児休業についても気持ち良く送り出して、取得後も迎え入れてもらえるという安心感から男性の育児休業の取得に繋がったと思います。引き続き思いやる気持ちを持って、みんなでやっていきましょう。
世代間や既婚独身で不平等感が出ないように、引き続き働き方については考えていきたいと思いますので、お気軽に意見をお願いいたします。意見は、直接言って貰えると嬉しいですけど、直接言いにくい場合は Smart相談室 の意見箱でもOKです。